2馬力エンジンにはいくつかのメーカーがあり、それぞれに特徴がありメリットやデメリットも違うので、選ぶときには悩みますよね。
しかし、逆にそれらのことが分かっていれば自分のフィッシングスタイルに合ったエンジンを選びやすくなりますよね。
そこでこの記事では、2馬力エンジンのスペックや特徴について解説していきたいと思います。
2馬力エンジンメーカーは5社

2馬力船外機を制作している製造メーカーは
●トーハツ株式会社
●ホンダ
●スズキ株式会社
●ヤマハ株式会社
●マーキュリー
上記の5社となり、同じ2馬力船外機でもそれぞれ特徴が違うので、当然メリットやデメリットも違ってきます。
筆者の周りや出船時に会う2馬力ボートユーザーの中ではトーハツとホンダが同率ぐらいで多く、次いでスズキ→マーキュリー→ヤマハの順で使用者が多くなっています。
2馬力エンジンの燃費は?

2馬力エンジンの平均的な燃費は「1リットル=7㎞程度」となっています。
上記した燃費は、実際に私がトーハツMFS2Cを使用して計測したものですが、どのメーカーのエンジンも燃費に大きな差はなく、フルスロットルで約1時間の航行が可能です。
しかし、使用する場所が潮の流れが速く、潮の流れが逆の場合、航行速度も遅くなるため、燃費が4㎞程度に落ちることもあります。
そのため、携行缶で燃料を持ち込まないと燃料切れになり、漂流してしまう可能性があるので、予備の燃料を必ず持ち込む必要があります。
2馬力エンジンの燃費や燃費計算方法について、もっと詳しく知りたい方は下記記事がおすすめです。
【燃費計算】2馬力ボートの燃費は?平均速度とスピードアップさせるための方法とは?
2馬力エンジンの選び方

2馬力エンジンを選ぶときには、それぞれの特徴を知っていないと選ぶことが出来ません。
ここでは、エンジン選びで重要になるポイントについて解説していきますので、エンジン選びの参考にしてみてください。
空冷式or水冷式
2馬力エンジンの冷却方法には空冷式と水冷式の2種類があり、メリットやデメリットの違いがあります。
メリット
- 水を循環させるためのインペラや、サーモなどがないのでメンテナンスの必要がなく、水を循環させていないので、使用後の水通しの必要がなく手間が少ない。
デメリット
- 風を効率よく取り込んでエンジンを冷やすので、ダクト内に塩水が入りサビやすく、外気温が高いときには十分な冷却効果を得られないことも
メリット
- 外気温が高い夏場でもエンジンを直接水で冷やすので冷却能力が高く、空冷式のように空気を取り込むための隙間がないので錆びにくい。
デメリット
- 水を散りこんで冷却するので海水での使用後には、しっかりと水通しを行う必要があり、それにかかるインペラ部分などのメンテナンスが必要。
どちらの方式にもメリットとデメリットがあるので、しっかりと検討してから選ぶといいでしょう。
クラッチの方式
2馬力エンジンのクラッチには前進・中立クラッチと、遠心クラッチの2種類があり、前進・中立クラッチはクラッチレバーの操作によって前進ができる最も一般的なクラッチになります。
遠心クラッチにはクラッチレバーはなく、アクセルの操作によって前進、中立の操作を行います。
分かりやすいところでは、スクーターなどの操作と一緒でアクセルoffの時には中立、開け具合によって前進のスピードを調整することが出来ます。
船外機の重量
2馬力エンジンの重量はメーカーによって大きな差があり、一番軽いエンジンでは13㎏程度ですが、18㎏以上もあり、エンジン選びの重要なポイントの一つになります。
たった5㎏程度の差と感じるかもしれませんが、足場の悪い沿岸で2馬力ボートを組み立てるのであれば、持ち運びに苦労することは間違いありません。
エンジンドーリーがあれば問題ありませんが、そうでないのであればエンジンの重量も加味して選ぶといいでしょう。
エンジン構造
2馬力エンジンには4ストと2ストの2種類があり、2ストエンジンでは混合ガソリンが必要になります。
2ストエンジンは4ストに比べてエンジン音も大きく、排気ガスのにおいも強いので苦手に感じる方も少なくありません。
しかし、2ストエンジンは構造が単純で修理、メンテナンスが出来ることも多いのでコスト面では優秀でしょう。
各社2馬力エンジンのスペックとメリットデメリット

ここでは2馬力船外機のスペックや特徴、メリットやデメリットについて解説していきますので、船外機購入の参考にしてみてください。
トーハツ2馬力エンジン
●エンジン構造:4サイクル
●排気量:85.5㏄(全機種№1)
●最大出力:5000rpm
●冷却方式:水冷式
●アクセル方式:バーハンドル
●クラッチ方式:前進・中立
●燃料/燃料タンク容量:無鉛ガソリン/1.0ℓ
●重量:18.4㎏(全機種№1)
トーハツの2馬力エンジンMFS2Bは、多くのユーザーに使用されている人気の高いエンジンになります。
人気の理由の一つは排気量の多さで全機種№1の85.5㏄の排気量があり、加速性能に優れており2馬力の中ではパワーがあります。
また、水冷式のため一年を通して安定した冷却性能を発揮するのも魅力の一つで、カスタムしやすいことも人気の理由。
本体重量が18.4㎏と最重量ではありますが、それをデメリットにできない魅力のある船外機で、スピードとパワーを重視したいユーザー向けの一台。
ホンダ2馬力エンジン
●エンジン構造:4サイクル
●排気量:57㏄(全機種最小)
●最大出力:6000rpm
●冷却方式:空冷式
●アクセル方式:バーハンドル
●クラッチ方式:遠心クラッチ(全機種でホンダのみ)
●燃料/燃料タンク容量:無鉛ガソリン/1.1ℓ
●重量:13.6㎏
2馬力エンジンの中では唯一の空冷式を採用し、使用後の手間になる水通しのメンテナンスが不要なことが人気の理由。
また、クラッチ方式も2馬力エンジン唯一の遠心クラッチを採用し、スクーターなどと同じようにアクセル操作のみで前進させることが出来ます。
使用後のメンテナンスを減らしたい方、楽に持ち運びしたい方にはおすすめです。
スズキ2馬力エンジン
●エンジン構造:4ストローク
●排気量:68㏄
●最大出力:5500rpm
●冷却方式:水冷式
●アクセル方式:バーハンドル
●クラッチ方式:前進・中立
●燃料/燃料タンク容量:無鉛ガソリン/0.9ℓ
●重量:14㎏(水冷式最軽量)
スズキ2馬力エンジンDF2Sは、イージーメンテナンスが魅力のエンジンで、定期的なメンテナンスが必要になるインペラ交換も楽に行えます。
また、水冷式の中では最軽量なのも魅力で、トーハツに比べて4㎏以上軽く持ち運びも楽に行えるでしょう。
トーハツに比べてパワーでは劣りますが、重量を気にしたい方にはおすすめの2馬力エンジンです。
マーキュリー2馬力エンジン
●エンジン構造:2ストローク
●排気量:75㏄
●最大出力:5300rpm
●冷却方式:水冷式
●アクセル方式:Fパネル レバー式
●クラッチ方式:前進・中立
●燃料/燃料タンク容量:混合ガソリン/1.4ℓ
●重量:13㎏(最軽量)
ご紹介している2馬力エンジンの中で、唯一の2ストエンジンを採用しているマーキュリーのエンジン。
2ストロークエンジンの魅力は燃焼効率がよく発生させることが出来るパワーも大きくなり、瞬発力にも優れています。
また、構造が簡単なことから軽量化されており、クラス最軽量の13㎏の重量しかないため力に自信のない方でも、運ぶことが可能です。
しかし、混合ガソリンを作る必要があることや、2スト独特の排気ガス臭がすること、アクセル操作が片手でできないなどのデメリットもあります。
その為、どんな手間があっても「パワー重視」という方にはおすすめできる船外機です。
ヤマハ2馬力エンジン
●エンジン構造:4ストローク
●排気量:72㏄
●最大出力:5500rpm
●冷却方式:水冷式
●アクセル方式:バーハンドル
●クラッチ方式:前進・中立
●燃料/燃料タンク容量:無鉛ガソリン/0.9ℓ
●重量:17㎏
内臓タンク式にも関わらず、他メーカーより機密性が高くオイル漏れが非常に少ないヤマハ製の2馬力エンジン。
72㏄の候排気量でありながら、トーハツに比べて約1.5kgも軽量化されており、高いエンジン実性能と操作性が魅力。
2馬力エンジンのメンテナンスについて

2馬力エンジンの定期的なメンテナンスは、ユーザー自身が行う必要があります。
- エンジンオイル交換
- ギアオイル交換
- エンジンプラグの交換
これらのメンテナンスを怠ると、エンジンの寿命を著しく縮めてしまう可能性があり、海上でのエンジントラブルのもとにもなります。
エンジンオイル・ギアオイルの交換時期の目安は100時間または6ヵ月が推奨されており、私自身も交換時期の目安に合わせて交換しています。
また、オイルだけではなくエンジンプラグについても、1年または200時間ごと一回の交換が推奨されているので、オイル交換と合わせて点検し、適切に交換しなければいけません。
エンジンオイル・ギアオイル・エンジンプラグの交換は、やり方さえ知っていれば誰でも簡単に行えるので、しっかりとメンテナンスを行いエンジン寿命を延ばしましょう。
▼メンテナンス方法についてはこちら▼
【写真付き解説】トーハツ2馬力船外機のオイル交換方法とギアオイルの交換方法を解説!
海外製の2馬力エンジンについて

最近ではコストに優れた一部海外製品のエンジンも多く、安価なため購入を検討している方も多くなっていますが、あまりおすすめできるとは言えません。
理由としてはやはり故障が多いということ、修理できるかどうかもわからないということからお勧めできません。
実際に海上でエンジンがかからなくなった、という話も聞いたことがあります。
もちろん大手メーカーのエンジンでも起こりえることですが、トラブルの多さは海外製のもののほうが多く、万が一海上で行動不能に陥ることを考えると恐怖しかありません。
エンジンは安全にかかわる重要な機関であり、コスト優先で選ぶと後々後悔することにもなりかねません。
短期間での買い替えを考えての購入であればいいのかもしれませんが、長期使用を考えるのであれば上記した5社のエンジンメーカーから選ぶと間違いないでしょう。
まとめ
ここまで2馬力エンジンの選び方やメリット、デメリットについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。
この記事が2馬力エンジン選びの役に立てば幸いです。
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