2馬力ボートはその出力の弱さから、風や波、潮流の影響を大きく受け、実燃費や平均速度は変化します。
しかし、自身のボートの燃費や航行速度を知ることは安全に必要なことであり、燃費や航行速度が分かることで、航行範囲も分かりやすくなります。
そこで今回は、実際に2馬力ボートで航行している経験から、最高速度や平均燃費について詳しく解説していきます。
また、2馬力ボートスピードをアップさせる方法についても解説していきますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
2馬力ボートは何キロ出るの
2馬力ボートの最高速度は「時速10㎞」程度となっており、FRP製とゴムボートの素材によって若干スピードに違いがあります。
また、2馬力ボートは船体も軽く、風や波、潮流の影響を受けてしまうので、出せるスピードは状況によって大きく変化するでしょう。
- FRP製2馬力ボート=5㎞~9㎞
- ゴムボート=5㎞~10㎞
私自身、ゴムボートからFRP製ボートに乗り換えており、どちらの経験もありますがゴムボートのほうがスピードは出ていました。
ゴムボートのほうが若干スピードが速い理由としては、
- 船体が軽い
- 水の抵抗を受けにくい
まず、ゴムボートはFRP製ボートに比べて20㎏ほど軽く、スピードが出やすい状況であること。
次に、船体が水中に深く浸からないので水の抵抗を受けにくく水上を滑るように航行できるので、スピードが出やすくなっています。
しかし、船体が軽く水中に浸かりにくい構造の2馬力ボートは、水上の変化を受けやすいので、操船には注意が必要になります。
2馬力ボートの燃費と計算方法
2馬力船外機の燃費計算方法は下記のとおりです。
- エンジン回転数÷プロペラの回転数
- プロペラ回転数×プロペラのピッチ=1分間の航続距離
- 1分間の航続距離×各使用燃料時の航続時間=各使用燃料時の航続距離
例として、上記計算式にトーハツMFS2Bのスペックを当てはめて計算してみると、「24.2㎞」となります。
しかし、上記の数字はあくまでもエンジン単体で稼働させた時の燃費であり、実際の燃費は大きく異なります。
経験上、FRP製、ゴムボートどちらもフルスロットルで約1時間の航行が可能であり、積み込むタックルの重量や風、潮流の影響にもよりますが「1リットル=7㎞程度」が実働時の平均燃費となります。
メーカー別2馬力船外機の燃料タンク容量
エンジンメーカー | 燃料タンク容量 |
---|---|
トーハツ | 1.0ℓ |
ホンダ | 1.1ℓ |
スズキ | 0.9ℓ |
マーキュリー | 1.4ℓ |
2馬力エンジンはどのメーカーを比較しても、燃料タンクの容量に大きな差はありません。
上記の比較表でも分かる通り、メーカーで燃料タンクの容量に大きな差はありませんが、2ストエンジンのマーキュリーのみ、1.4ℓと2割~3割程度容量が多くなっています。
しかし、2ストエンジンは4ストエンジンに比べ、燃費が2割~3割程度悪くなるので、航行距離に大きく差が出ることはないでしょう。
そのため、燃料タンクの容量でエンジンを選ぶのではなく、その他のメリットやデメリット、スペックを比較して選ぶといいでしょう。
スピードアップするための方法
2馬力船外機はスピードアップさせるための方法が3つあります。
ここでは、2馬力エンジンのスピードアップ方法について解説していきますので、参考にしてみてください。
2ストロークの船外機を選ぶ
2馬力船外機には、2ストロークと4ストロークの2種類があり、少しでもスピードアップさせたいのであれば、「2ストローク」の船外機を選びましょう。
2ストロークとは、その名のとおり2行程(ピストン1往復)で一連の流れを終えるエンジンのことで、同排気量であれば、ピークパワーは4ストロークエンジンよりも高い出力を出すことが可能です。
そのため、少しでもスピードの速い船外機が欲しいのであれば、2ストロークの船外機を選ぶといいでしょう。※スピードアップの効果は1㎞~2㎞程度
しかし、2ストローク船外機には以下のデメリットがあります。
- 混合油が必要
- 焼き付きが多い
- 排気ガスが濃い
- エンジン音が大きい
このようなデメリットがあるので、しっかりと理解して選びましょう。
スタビライザーの取り付け
2馬力ボートは「スタビライザー」を取り付けることで、スピードアップさせることができます。
スタビライザーとは、船外機のプロペラ上部に取り付ける板状のパーツで、各メーカーに合ったスタビライザーが販売されています。
- ハンドリング性能が向上する。
- キャビテーション、ポーポイズを抑制する。
- トーイングスポーツでのボートコントロールが良くなる。
- 燃費が向上し、トップスピードのロスが少なくなる。
- プレーニングまでの時間が短くなる。
ボートは船首側が持ち上がった状態で航行すると、摩擦によってスピードが出にくくなります。
そこで、下面に上方向のスラスト圧を創り出し、船尾を押し上げ船首を押し下げる効果のあるスタビライザーを取り付けることによって、若干ではありますがスピードアップさせることができます。
意外に思うかもしれませんが、出力の弱い2馬力ボートでも状況によっては船首側が持ち上がり、スピードが出にくくなることがあるので、スタビライザーの効果は少なくありません。
そのため、2馬力ボートで少しでもスピードアップさせたいと考えているのであれば、スタビライザーの導入をおすすめします。
ボートの重量を軽くする
2馬力ボートの出せるスピードは「船体の総重量」が軽ければ軽いほど出すことができます。
そのため、FRP製ボートよりもゴムボートの方が軽く、スピードが出やすい状況にあり、スピードだけを重視するのであれば、船体の軽いボートの方が有利です。
しかし、ボートは船体が軽くなればなるほど安定性能は低くなってしまうので、軽すぎる船体では不安が残ります。
もちろん、軽くて安定性能に優れたボートもあるので、メリットやデメリットをしっかりと理解し、特徴も考えたうえで選ぶといいでしょう。
2馬力ボートの選び方や、おすすめのボートが気になる方は下記記事を参考にしてみてください。
【2024年最新】3人~4人乗り2馬力ボートのおすすめランキング!後悔しない選び方とは?
2馬力ボートにおすすめの船外機メーカーは?
2馬力ボートにおすすめの船外機メーカーは4つ、
- トーハツ
- ホンダ
- スズキ
- マーキュリー
上記4メーカーが2馬力ボートユーザーが多く使用する船外機メーカーになり、それぞれ仕様や特徴が異なりますが、突出してスペックが異なる船外機はありません。
そのため、どのメーカーの船外機を選んでも、出せるスピードに大きな違いはなく、1㎞~2㎞の範囲での違いとなります。
そのため、仕様の違いによるメリットやデメリットを重要視して選ぶといいでしょう。
まず、冷却方式には水冷式と空冷式があり、水冷式の方が冷却能力が高く安定して船外機を冷やすことができますが、使用後に水通しといわれるメンテナンスが必要になります。
その点、空冷式の船外機ではエンジンの中に水を通す必要がなく、使用後のメンテナンスが非常に楽というメリットがあります。
上記メーカーの中ではホンダが唯一の空冷式を採用しており、メンテナンスが楽であることから非常に人気の高い船外機となっています。
また、全船外機中ナンバーワンの排気量があり、燃費性能に優れたトーハツのMFS2Cも人気の高い船外機となっています。
実際に、私の周りでもホンダとトーハツの船外機がほとんどなので、スピードだけで選ぶのではなく自身のスタイルに合った船外機選びが重要になります。
メーカー別の船外機の仕様が分かる記事はこちら
まとめ
2馬力ボートの最高速度は状況によりますが「10㎞未満」です。
また、平均燃費は実働で「1リットル=7㎞」程度となっており、広範囲を探るためには携行缶などで燃料を持ち込む必要があります。
また、航行速度を上げたいのであればスタビライザーの導入や、2ストロークの船外機を選び、ボート自体の重量を軽くする対策が必要となります。
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