泳がせ釣りでメインターゲットとなることが多いヒラメは、非常に人気のある魚種で、多くの方が泳がせ釣りで狙っています。
しかし、「アタリはあるのに釣れない」「フックアウトしてしまう」など、なかなか釣果につながらないことも多い魚種であるのも事実です。
そこで今回は、2馬力ボートでヒラメを泳がせ釣りで釣り続けてきた経験から、ヒラメを泳がせ釣りで釣るためのコツや、おすすめタックルの基準について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
ヒラメの生態を知る!
ヒラメを泳がせ釣りで釣りたいと考えるのであれば、「ヒラメの生態」を詳しく知っておく必要があるでしょう。
まず、ヒラメの主な生息域は沿岸の砂泥地で、水深5メートルの浅場から200メートルの深海と呼ばれる水深まで、幅広い場所に生息しています。
ヒラメは、見てのとおり目が上向きについており、自身の上を通過するベイトを捕食することが多く、陰に潜みながら捕食できるチャンスをうかがっていますが、泳ぎが得意ではないため、捕食範囲から生きエサが出てしまうと追うことをあきらめることが多いです。
しかし、15年以上の泳がせ釣りの経験上、泳ぎは得意ではないのに生きのいい元気なエサのほうがバイトしてくる確率は高く、捕食しやすそうな弱った生きエサでは逆に釣れにくい魚種です。
主食は小魚ですが、幼魚のうちはアミなどを食べて成長し、成魚になると小魚や甲殻類を主食としています。
船からの泳がせ釣りでヒラメを釣るための5つのコツ
ここでは、船からヒラメを泳がせ釣りで狙うためのコツについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
早合わせ厳禁
ヒラメを泳がせ釣りで釣るためのコツは「早合わせ厳禁」ということです。
ヒラメをエサで釣る場合には「ヒラメ40」という言葉がありますが、これは前あたりが来てから、しっかりとエサを飲み込むまで待ってから合わせを入れましょう、という意味で使われています。
なぜこのように待つ必要があるのかというと、ヒラメの捕食方法に原因があります。
ヒラメの捕食方法は、噛みつきながら弱らせて飲み込んでいくパターンが多く、噛みついただけの状態で合わせを入れても、針を含むエサが口の中に入っているとは限らないので、フッキングしづらいのです。
そのため、ヒラメを泳がせ釣りで釣りたいのであれば、生きエサと針がしっかりと口の中に入るまで待ってから、合わせを入れる必要があります。
- 早合わせ厳禁
- 飲み込むまで待つ
弱ったエサは交換する
弱った生エサよりも生きのいいエサの方が釣果につながりやすいのは、ほかの魚種でもいえることですが、ヒラメは特にその傾向が強いです。
私自身、泳がせ釣りでヒラメを狙いますが、アタリが来なくなったときには生きエサが弱っていることが多く、生きのいいエサに交換したとたんにアタリが出だすことはよくあります。
そのため、ヒラメを泳がせ釣りで狙うのであれば、常に生きエサの状態を気にしておく必要があるでしょう。
しかし、注意点として、生きエサ確認のために何度も巻き上げて確認してしまうと、弱ってしまうので、竿先の反応を見ながら生きエサの状態を判断するとよいでしょう。
- 弱ったエサを使い続けない
- 巻き上げてエサを確認すると弱る
- 竿先の反応を見て判断
ヒラメの捕食範囲をキープ
泳がせ釣りでヒラメの釣果アップを目指すのであれば、「50cm~100cmの捕食範囲をキープ」することが重要です。
もちろん、この範囲内でないと釣れないということはありませんが、最も積極的に捕食行動を起こす範囲が50cm~100cmなのです。
ヒラメの捕食行動は、追いかけて食うよりも、砂底に潜み、上を通り過ぎるベイトめがけてバイトするのが基本パターンです。
そのため、泳がせ釣りであってもこのパターンに合うように捕食範囲をキープし、バイトしやすい状況を作ることが重要です。
- ヒラメの捕食範囲は50㎝~100㎝
- バイトしやすい状況を作る
捕食方法に合わせた針の選択
泳がせ釣りでヒラメを狙うのであれば、「捕食方法に合わせた針」の選択が釣果アップにつながります。
ヒラメは青物のようにベイトの頭から飲み込んで捕食するのではなく、腹や尻尾にかみつくことの多い魚種です。
そのため、生きエサの針の掛け方を鼻掛けのみにしている場合、針のない場所にかみついてしまうので、高確率でバラシにつながります。
上記動画はヒラメがアジの尻尾に食いつく動画ですが、仮に鼻掛けや背掛けのみであれば絶対に針掛しないことがよくわかります。
そのため、親針のほかに孫針やトレブルフックなど、予備針の付いた仕掛けを選ぶことが重要です。
ただし、掛かる針の本数が増えれば針掛かりする確率も当然高くなりますが、孫針を付けることで生きエサの動きが阻害されることもあります。
それを防ぐためには、生きエサの動きを阻害しにくい肛門近くか、背びれのすぐ後ろ付近に掛けるとよいでしょう。
- 仕掛けは孫針付きがおすすめ
- 生きエサの動きを阻害しない場所に掛ける
シーズンを外さない
ヒラメのベストシーズンは「秋から厳寒期手前」「春先から初夏手前」までが最も適した時期だといえます。
ヒラメが活発に捕食行動を起こすには水温が15~16度といわれており、寒くなる前の秋から厳寒期手前、水温が上がってくる冬の終わりから春先にかけてがベストといえるでしょう。
また、春から初夏にかけては「のっこみ」の季節であり、さらに産卵を控えた時期とも重なり、大型のヒラメも泳がせ釣りでよく釣れます。
実際、私は2馬力ボートで泳がせ釣りを楽しんでいますが、秋を感じて少し寒くなってきた時期から完全に寒くなる前と、日中が過ごしやすく感じる春先あたりが最もよく釣れています。
そのため、ヒラメを泳がせ釣りで狙うのであれば、「秋から厳寒期手前」「春先から初夏手前」のシーズンを外さないようにしましょう。
- ベストシーズンは「秋から厳寒期手前」「春先から初夏手前」
- 厳寒期は深場に移動する
ヒラメ向きタックルの選び方と基本
ここでは、泳がせ釣りで船からヒラメを狙う場合のタックルの基本について解説していきます。
ヒラメ向きタックルの基本
ヒラメ向きタックルの基本は下記のとおりです
タックル基本\釣り種 | ライトヒラメ | ノーマルヒラメ |
リール | 小型両軸(ベイト)リール | 小型両軸(ベイト)リール |
ロッド長さ | 2.7m | 2.4m |
調子 | 6:4 | 7:3 |
ライン | 1.5~4号 | 1.5号~ |
仕掛け | 胴付き仕掛け | 胴付き仕掛け |
オモリ | 20~80g | 40~120g |
上記した表を参考に、自身に合ったタックルを組み上げてください。
両軸ベイトリールがベスト
ヒラメ釣りにおすすめのリールは「両軸ベイトリール」が最もおすすめです。
ヒラメの泳がせ釣りに両軸(ベイト)カウンター付きリールがおすすめの理由は3つあります。
- バーチカル(縦の釣り)であること
- 底取りがしやすいこと
- 生きエサの位置を把握しやすいこと
以上の3つが、ヒラメの泳がせ釣りに両軸ベイトリールをおすすめする理由です。
まず、船での泳がせ釣りは縦の釣りになるため、手返しが早く片手でクラッチ操作ができる両軸リールの方が断然有利です。
また、ベイトリールを選ぶことで、底取りがしやすく生きエサの位置を把握しやすいというメリットがあり、ヒラメの捕食範囲である50~100センチの範囲をキープしやすくなります。
このように、ヒラメを船から泳がせ釣りで狙うのであれば、メリットの多い「両軸ベイトリール」を選びましょう。
【最新版】船から狙うヒラメ釣りにおすすめのリール11選!選び方の基本を解説!
ヒラメ専用竿が釣果を伸ばす!
泳がせ釣りでヒラメを狙う場合、「ヒラメ専用竿」を使用することで釣果が伸びます。
ヒラメはエサに食いついたときに違和感を感じると口から吐き出してしまうことがあるため、違和感を与えない作りの竿が必要です。
ヒラメ専用竿は全長2.4~3メートル、調子は6:4に設定されたものが多く、動く船の上で波の上下運動を吸収できる作りになっており、余計な違和感を与えにくいい構造となっています。
また、浅場でのライト泳がせ釣りでは手に持ちながら行うことも多いため、2.4メートルの竿で7:3調子のものを選ぶと使いやすいでしょう。
【最新版】船からのヒラメ釣りにおすすめの竿16選!釣るためのコツと代用できる竿は?
仕掛けはヒラメに特化したものを!
泳がせ釣りでヒラメを狙うのであれば、「ヒラメ用の仕掛け」の選択も重要になります。
ヒラメは青物のように吸い込んでベイトを捕食すのではなく、何回か噛みつきながら飲み込んでいくことが多い魚種です。
そのため、青物用の泳がせ釣りのように親針一本で鼻掛けの状態では、フッキング率は下がってしまうことは目に見えています。
その点、ヒラメ用の仕掛けであれば孫針やトレブルフックなどが付いているので、どこにかみついてきてもかかる確率は高くなります。
このように、ヒラメを泳がせ釣りで狙うのであれば、捕食方法に対応した仕掛けである「ヒラメ対応仕掛け」を選ぶようにしましょう。
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泳がせ釣りなら座布団ヒラメも狙える!
ヒラメを狙うアングラーであれば、誰もが夢見る「座布団ヒラメ」も、泳がせ釣りであれば難易度がぐっと下がります。
ヒラメに限ったことではありませんが、魚は長く生きているほど、サイズが大きくなるほど警戒心が高くなり、大きなサイズはなかなか釣れません。
しかし、普段から捕食しているベイトをエサとする泳がせ釣りであれば、大型のヒラメも警戒心が薄れ、バイトしやすくなるのは確かです。
もちろん、簡単に釣れるという意味ではありませんが、ルアー釣りなどに比べると釣果の差は歴然で、初心者や子どもでも狙うことは可能でしょう。
一般的に釣り全般、ビギナーズラックはあれど、経験やテクニックが必要になりますが、生きエサが勝手に泳いで誘ってくれる泳がせ釣りは、釣り手を選びません。
このように、泳がせ釣りであれば誰でも狙うことができるので、タックルをしっかり揃えて「座布団ヒラメ」やその上の「大座布団」を狙ってみてください。
まとめ
ヒラメを泳がせ釣りで狙うのであればヒラメの生態を知り、釣る確率を上げるためのコツを知ることが重要になります。
また、コツと合わせてタックルの相性も重要になるので、しっかりと選んで泳がせ釣りで座布団ヒラメを狙ってください。
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