釣り用クーラーボックスは、保冷剤を使用することで保冷効果が高まり、保冷時間が延びたり、氷が溶けにくくなるなど、多くのメリットがあります。
しかし、保冷剤には非常に多くの種類があり、どれを選べば良いのか悩むこともあるでしょう。
そこで、この記事では、釣り歴30年以上の経験を基に、釣り用クーラーボックスに適した保冷剤の選び方や、おすすめの保冷剤を厳選してご紹介します。
クーラーボックスに必要な氷と保冷剤の量は?
クーラーボックスをしっかりと冷やすために必要な氷と保冷剤の量は、「氷が容量の30~50%」、「保冷剤が15~25%」程度必要になります。ただし、併用することで「氷=20%程度」「保冷剤=5%程度」でしっかりと冷やすことが可能です。
氷もしくは保冷剤単体での使用
- 氷のみ=容量の30~50%
- 保冷剤のみ=容量の15~25%
氷と保冷剤の併用
- 氷=容量の20%程度
- 保冷剤=容量の5%程度
仮に氷と保冷剤を単体で使用した場合、必要量をクーラーボックスに入れると非常に重くなり、持ち運びに苦労するだけでなく、購入にかかる費用も大きくなります。
そのため、氷と保冷剤を併用することで、必要な氷や保冷剤の量を減らし、コスト削減やクーラーボックスの軽量化が可能です。
実際に私自身は、イグルーの114リットルのクーラーボックスを使用しており、氷を漁協で20kg購入し、氷点下まで冷える1.2kgの保冷剤を4つ使用していますが、総重量はクーラーボックスの重量と合わせても30kg程度と、コスト削減や軽量化ができています。
また、気になる保冷時間ですが、上記の容量で夏場であれば翌日の昼まで十分に氷が残り、冬場であれば二日経っても氷が残った状態でキープされています。
そのため、クーラーボックスを冷やすために必要な氷と保冷剤の量を選ぶ際には、併用することを基本に「氷=20%程度」「保冷剤=5%程度」を目安にすると、コストパフォーマンスが良いでしょう。
釣り用クーラーボックスの保冷剤の選び方
釣り用クーラーボックスに使用する保冷剤は、「ハードタイプ」「氷点下まで冷える」「抗菌仕様」の三つを基準に選びます。
まず、魚のヒレや釣り針などで破れることがないように、ハードタイプの保冷剤がおすすめです。仮に鋭いヒレや針などが触れても液漏れする心配がなく、安心して使用できます。
また、氷点下まで冷やすことができる保冷剤は、一般的な保冷剤と比べて約8倍の保冷能力を持つ商品もあり、クーラーボックスの保冷時間を大幅に延ばすことが可能です。
ただし、注意点として氷点下で冷える保冷剤は直接魚が触れると冷凍焼けを起こす可能性があるので、直接保冷材に魚が触れない工夫が必要になります。
さらに、抗菌仕様の保冷剤を選ぶことで、クーラーボックス内の菌が保冷剤上で増殖するのを抑えられ、繰り返し使用できます。
そのため、釣りで使用するクーラーボックスの保冷剤は、「ハードタイプ」「氷点下まで冷える」「抗菌仕様」の三つを基準に選ぶとよいでしょう。
- ハードタイプ
- 氷点下まで冷える
- 抗菌仕様
釣り用クーラーボックス最強保冷剤11選
ここでは、釣り用クーラーボックスにおすすめの最強保冷剤を厳選して11種類ご紹介します。ご自身に合った保冷剤をお選びください。
※注意:氷点下まで冷える保冷剤は、凍結条件としてマイナス20度が必要になります。冷凍庫内の設定温度をマイナス20度に下げてください。
【ダイワ】 CPアイス 保冷S/M/L
- ジャストサイズ設計
- 優れた冷却性能
- 選べるサイズ展開
- 長期間保冷
ダイワ製クーラーボックスの底面に「ピッタリ」収まるジャストサイズのハードタイプの保冷剤。
通常の保冷材(0℃タイプ)と比較するとCPアイスは-16℃グレードを使用しているため、氷が解けにくく、クーラーボックス内の温度を一定に保てる時間が長くなることが魅力。
サイズもS/M/Lの3種類から選べ、クーラーボックスの容量に応じて必要なだけそろえることができて、冷却性能、保冷時間ともにしっかりした保冷剤。
【ロゴス】 保冷料倍速凍結・氷点下パック
- 短時間凍結
- 長時間の保冷力
- 使用量の目安が分かりやすい
一般的な保冷剤と比べて18~24時間で凍結し、-16℃まで冷える氷点下パックは、一般的な保冷剤の約8倍の保冷能力を持っています。長時間の釣行でも、氷の持ちの良さに貢献します。
メーカーがおすすめするクーラーボックス容量に対する使用方法の目安は、以下の通りです。
- クーラーボックス8リットル=倍速凍結・氷点下パックM/1個
- クーラーボックス12リットル=倍速凍結・氷点下パックL/1個
- クーラーボックス16リットル=倍速凍結・氷点下パックXL/1個
【ロゴス】氷点下パックGT-16℃
- 強力な保冷力
- 日本製
- 抗菌仕様
停電時など、冷蔵庫が機能しなくなった時臨時の「冷蔵庫代わり」として食材の鮮度をキープできるほどの強力な保冷力が魅力の保冷剤。
完全凍結まで家庭用冷凍庫なら36~48時間ほどの時間がかかりますが、前もって準備しておけば問題なし。
保冷剤の目安は以下の通り。
- クーラーボックス8リットル=倍速凍結・氷点下パックM/1個
- クーラーボックス12リットル=倍速凍結・氷点下パックL/1個
- クーラーボックス16リットル=倍速凍結・氷点下パックXL/1個
【山善】 パワークール-16℃
- 安心の日本製
- 3倍の冷却・保冷力
- コストパフォーマンスが高い
キャンパーズコレクションの保冷剤は、日本製で安心・安全が魅力。
通常の保冷剤と比べ、3倍の冷却スピードと保冷力があり、長時間の釣行でも溶けにくく、クーラーボックスの氷持ちに貢献します。
また、1100gのサイズでも千円以下と、コストパフォーマンスが高いことも人気の理由です。
【ネオアイス】ネオアイスPro ハード
- 業務用の実績
- ドライアイスと同程度の能力
業務用で使用されることの多い、表面温度が-16℃の保冷剤。
同量で比較すると、ドライアイスと同程度の保冷時間と冷却能力があり、長時間の釣行におすすめできる保冷剤です。
デメリットは、凍るために必要な温度が-25℃と低いため、一般家庭の冷凍庫では凍らない場合があります。そのため、冷凍庫内の温度を「強」に設定する、庫内にスペースを空けた状態で冷凍するなどの対策が必要です。
【トリウト】保冷剤
- 8時間での氷結
- スリムな形状
- 分割可能
氷結時間が8時間と短時間で保冷剤として使えるスリムタイプの保冷剤です。
氷点下タイプではありませんが、短時間での氷結や隙間に入るスリムな形状が、さまざまな状況にマッチします。
また、ソフトタイプと比べて8時間以上保冷することが可能で、釣行時間に合わせて使用する個数を調整できるおすすめの保冷剤です。
【INOAC】クールプラン 氷太クン 1100gハード-16℃
- 氷点下-16℃
- 保冷、冷却スピード3倍
- 分かりやすい使用目安
表面温度-16℃の超強力保冷材で、氷の残氷時間を伸ばします。
氷より冷たい保冷材で、冷却スピードは3倍。長時間の釣行後でも、釣った魚の持ち帰り鮮度が保てるため、釣りやアウトドアで使用するのに最適です。
使用目安は、16~20リットルのクーラーに1100gを1個です。
【イノアック】 保冷剤 500g -11℃タイプ
- 冷えすぎない-11℃
- 一日持つ保冷力
- 数百円の低いコスト
-21℃の冷凍庫で24時間凍結させ、飲料水や生鮮食品の宅配など、配送のプロも使用する表面温度マイナス11℃の保冷剤です。
-16℃では冷えすぎると感じる方におすすめで、一日の釣行であれば十分な冷却能力と保冷時間が魅力です。
また、費用も安く、コストパフォーマンスが高い保冷剤となっています。
【アイリスオーヤマ】超低温保冷剤 2個セット 超低温
- -16℃の表面温度
- 高い保冷力
- 遠征や長時間の釣り向き
アイリスオーヤマが手掛ける超低温タイプの保冷剤で、表面温度は-16℃です。
サイズはM、L、XLの三種類から選べ、真空断熱クーラーボックスと併用することでさらに保冷力が向上します。一般的な保冷剤と比べて約5倍の保冷力が魅力です。
泊まりがけの釣行や遠征でも、氷の持ちがよく、しっかりとクーラーボックスを冷やすことができます。
【アイリスオーヤマ】急速凍結保冷剤2個セット 急速凍結
- 氷点下-11℃の表面温度
- -10℃の保冷力が6時間持続
あまり冷やしたくないと感じる方におすすめなのが、アイリスオーヤマの急速凍結保冷剤です。超低温タイプと比べて、約半分の時間で凍結できます。
表面温度が-11℃とやや低く、釣った魚に優しい温度も魅力です。また、-10℃の保冷力が約6時間持続します。
【TRUSCO】保冷剤 760g 強冷タイプ 日本製 THZ-760S
- 通常、強冷タイプが選べる
- 選べる容量
通常タイプと強冷タイプの2種類から選べる、トラスコのクーラーボックス用保冷剤です。
釣り用クーラーボックスには、通常よりも冷却持続効果が高い強冷タイプがおすすめです。氷と併用することで、さらに冷却効果が高まります。
強冷タイプは350gと760gの2つの容量から選べるため、クーラーボックスの容量に合わせて選ぶと良いでしょう。
氷が溶けにくくなる方法と保冷剤の入れ方
ここでは、クーラーボックス内の氷が溶けにくくなる保冷剤の使用方法や、入れ方について解説します。
最初から冷やしておく「予冷」
クーラーボックス内の氷を溶けにくくする効果的な方法として、事前に冷やしておく「予冷」が重要です。
室内で使用するクーラーの場合、設定温度に達するまでに電力を多く消費し、つけっぱなしのほうが電力効率が良いとよく言われますが、クーラーボックスにも同じことが当てはまります。
例えば、100%の氷でクーラーボックス内を10度まで冷やす場合、20%の氷を使用するよりも、予冷済みのクーラーボックスを使用したほうが、100%の氷を保冷剤として最大限に活用でき、その分氷が長持ちします。
氷が長持ちすれば保冷時間も延びるため、長時間の釣行でも安心です。前日から「予冷」を行うことをおすすめします。
保冷剤を上からかぶせる
クーラーボックスの氷を少しでも長持ちさせたい場合は、「保冷剤を上に置く」ことが重要です。
冷気は上から下に降りる性質があり、この性質に合わせて保冷剤を配置することで、クーラーボックス内の氷を溶けにくくする効果が期待できます。
また、クーラーボックスの中には、蓋部分に発泡スチロールやウレタン加工が施されておらず、保冷効果が十分でない商品もあります。保冷剤はそのような商品の断熱材としても代用可能です。
冷気が上から均一にクーラーボックス内を回ることで、効率的かつ効果的に保冷力が高まり、氷の持ちが良くなるためおすすめです。
保冷剤を底面に敷く
クーラーボックスの氷を長持ちさせるためには、「底面に保冷剤を敷く」ことも効果的です。
この方法は、保冷剤を上に置く方法と併用することで、さらに効果的に冷却できます。
クーラーボックスの温度は、接触面積の広い部分から伝わることが多く、とくに地面に接している底面は熱を受けやすい特徴があります。そのため、底面に保冷剤を敷くことで断熱材と保冷剤の二重の層を作り、保冷効果を高めることができます。
さらに、上部に保冷剤を設置していれば、上から下に流れる冷気が底面の保冷剤をサポートし、保冷期間を延ばしつつ氷が溶けにくくなる効果が期待できます。
保冷力に不安のあるクーラーボックスを使用している場合でも、保冷剤を適切に活用することで保冷効果や持続時間が大幅に向上します。自分の釣りスタイルに合った方法で試してみてください。
保冷剤を蓋に付ける方法は?
保冷剤をクーラーボックスの蓋に直接取り付ける方法はいくつかあり、「バスケット(かご)」「ネットの設置」などがありますが、基本的にDIYでの作業となります。
作業自体は難しくなく、誰でも簡単にできますが、加工するクーラーボックスによっては注意が必要です。
まず、クーラーボックスを直接加工する場合、穴あけや削るといった作業が必要になりますが、真空断熱パネルの断熱材を使用したクーラーボックスでは、穴をあけることは厳禁です。
なぜなら、真空断熱パネルは真空が保たれているからこそ保冷力があるのであり、真空状態でなければ断熱材として機能しないからです。
そのため、穴あけ加工できない蓋に取り付けるのであれば、両面テープやグルーガンなどで固定する方法を考える必要があります。
また、発泡スチロールや発泡ウレタンの断熱材を使用している蓋に穴あけ加工する場合でも、穴をあけた場所から水分が保冷剤に染み込み、雑菌の増殖やカビの繁殖が起きないよう、コーキングを施すなどの処理が必要になるため、しっかりと対策を行いましょう。
釣り用クーラーボックスは便利グッズで快適に!
釣り用のクーラーボックスは、便利グッズでカスタムすることでさらに使いやすくなり、自身のフィッシングスタイルに合ったカスタムを選ぶことで快適さが向上します。
釣りで使用するクーラーボックスは、釣った魚を冷やすだけでなく、食料品の保存や暑さに弱いエサの保管、船釣りでの椅子、竿立てなど、クーラーボックス以外の用途にも活用できます。
実際に、私自身も2馬力ボートオーナーとして15年以上マイボートフィッシングを楽しんでおり、竿立てや椅子、ドリンクホルダーや小物入れを取り付けることで、荷物の削減に成功しています。
荷物が減るということは、それだけ釣り人への負担が軽くなるだけでなく、同行者がいる場合にも負担の軽減につながり、釣具の管理もしやすくなります。
このように、必要に応じたカスタムを行うことで、釣りで毎回問題となる荷物の多さを解決できるため、ぜひ自分好みのクーラーボックスに便利グッズでカスタムしてみてください。
釣り用のクーラーボックスの便利グッズについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
【最新版】釣り用クーラーボックス便利アイテム11選!カスタムする時の注意点も解説!
まとめ
クーラーボックスに必要な氷の量は、氷と保冷剤を併用する場合、容量の「氷=20%」「保冷剤=5%」で併用することで全体の必要量を減らすことが可能です。
保冷剤を選ぶ際には、「ハードタイプ」「氷点下まで冷える」「抗菌仕様」の保冷剤を選ぶことがおすすめです。また、注意点として、直接魚が保冷剤に触れることで発生する冷凍焼けには注意が必要です。
さらに、少しでも氷の持ちを良くするために、「予冷を行う」「保冷剤を上からかぶせる」「保冷剤を底面に敷く」などを実践してください。
最後に、保冷剤を蓋に直接取り付けることは可能ですが、基本的にDIYでの作業となり、真空断熱パネルでは穴あけ加工ができないことを覚えておきましょう。
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