アジやイワシ、キスなどの生きたエサでターゲットを狙う「泳がせ釣り」では、生き餌の泳ぎを邪魔しないライン選びが重要になります。
しかし、泳がせ釣りで使用するラインは多くあり、何を基準にどう選ぶべきなのか迷いますよね。
そこでこの記事では、泳がせ釣り歴10年以上の経験から、おすすめのラインを厳選してご紹介していきたいと思います。
また、ライン選びで悩む「素材・太さ・長さ」について、選び方の基準を合わせてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
泳がせ釣り用ラインの3つの選び方

泳がせ釣りで使用するラインは選び方で、生き餌の動きが悪くなったり、感度が悪くなってしまいアタリが分かりにくいなど、デメリットにつながります。
そのため、ライン選びの基準をしっかりと理解して、選んでください
PEラインとナイロンライン
泳がせ釣りで使用するライン選び1つ目は「PEラインorナイロンライン」です。
ラインには素材の違いによって特徴やメリット、デメリットが違うため、用途に合わせた選び方が必要になります。
PEラインの特徴とメリット/デメリット
PEラインとは「超高分子量ポリエチレン繊維」という繊維でできた原糸を、複数本編み込んでできた釣り糸で、「4本編み・8本編み。12本編み」の種類があります。
超高分子量ポリエチレン繊維で編み込まれたPEラインには
- 伸びが少ない
- 引張強度が強い
- 細いため多く巻ける
といった特徴があり
- 感度が高い
- 細いため多く巻ける
- 劣化しにくい
- コストが高い
といったメリットやデメリットがあります。
ナイロンラインの特徴とメリット・デメリット
ナイロンラインは「ポリアミド・モノフィラメント」といった素材で作られており、伸び率が高く柔らかいため、多くの釣り種に適したラインとなっています。
ナイロンラインのメリットやデメリットとして
- 伸縮性があり高切れしにくい
- 摩擦に強い
- コストが低い
といったメリットがあり
- 劣化が早い
- 少ない釣行回数で交換が必要
- 太く糸巻量が少なくなる
といったデメリットがあるので、自身のフィッシングスタイルに合ったラインを選ぶ必要があります。
ラインの太さ
泳がせ釣りで使用するラインの選び方の2つ目は「ラインの太さ」です。
- PEライン=2号以上
- ナイロンライン=12号以上
※ナイロンラインはPEラインに比べて太く、12号では必要量巻けないこともあるため、号数を落とすなどの調整が必要。
ラインの太さは張力に直結し、太いほど強度は高くなりますが、ラインの素材によって号数は変化するため、18kg以上の張力のあるラインを選ぶ必要があります。
船からの泳がせ釣りで最も多く使用されているラインの張力は40lbです。
これは、PEラインなら2号、ナイロンラインなら12号に相当し、船からの泳がせ釣りでは「40lb=18.144kg」のライン選びが基準となります。
そのため、40lbを基準に対象魚に合わせて号数を太くしていくと、泳がせ釣りで使用するライン選びが分かりやすくなるでしょう。
しかし、泳がせ釣りにおいてもできるだけ「細仕掛け」の方が生き餌の動きを阻害せず、釣果につながりやすくなるので、細仕掛けを意識してラインを選びましょう。
結論
- 水深のあるエリアでの泳がせ釣り
- 感度を重視したい方
- コストが気にならない方
※PEラインを泳がせ釣りで使用するときには「ショックリーダーの結束」は必ず行いましょう。
- 底物狙いが多い方
- 浅場での泳がせ釣り
- コストを重視したい方
- 交換回数が多くても気にならない方
ラインの長さ
泳がせ釣りで使用するライン選びの3つ目の基準は「ラインの長さ」です。
泳がせ釣りで使用するラインの長さは、PEライン、ナイロンラインどちらでも「最低200m」必要になり、300m以上あると不意の大型魚がかかっても安心してやり取りが行えるでしょう。
しかし、PEラインとナイロンラインでは、同じ張力の40ポンドであっても太さが全く異なるため、リールによっては必要量を巻くことができない可能性もあります。
そのため、リールによってラインの素材を変える必要があることも考えて、ラインの長さや素材を選びましょう。
泳がせ釣りにおすすめのライン11選

ここでは、泳がせ釣り歴10年以上の経験から厳選してPEラインから6種、ナイロンラインから5種の合計「11種類」を厳選してご紹介していきます。
自身に合った泳がせ釣り用ラインを、選んでみてください
※ラインの長さについては200m以下の表記はしていません。
泳がせ釣りにおすすめのPEライン
シマノ ピットブル4
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
1.5号 | 31.7lb(14.4㎏) | 300m |
2号 | 38.7lb(17.6㎏) | 300m |
しなやかさと、なめらかさを両立した「超低伸度」が魅力のPEライン。
泳がせ釣りで使用できるのは1.5号~2.0号だが、どちらも長さが300mと浅場から中層までの泳がせ釣りに適したPEライン。
- 浅場から中層までの泳がせ釣り
- ライト泳がせ釣り
- コスト重視の方
シマノ(SHIMANO) タナトル4
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ(m) |
2号 | 42.8lb(19.4㎏) | 200、300m |
3号 | 54.6lb(24.8㎏) | 200、300、500m |
高分子量ポリエチレンを素材とした高強度、低伸度PEラインで、繊維が細く、質感も滑らかなソフトタイプ。
ラインの表面抵抗が滑らかなので、水の抵抗も少なくカラーリングされたラインで、水深の判別が容易に行えます。
また、用途に応じて200~500までの長さを選べるので、エリアを選ばないのもおすすめの理由。
- 浅場から深場までの広い範囲での泳がせ釣り
- コスト重視の方
バリバス(VARIVAS) VARIVAS 船 PE8 マルチカラー
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
2号 | 15㎏ | 300m |
3号 | 21㎏ | 300m |
巻数が300mと浅場~中深海まで対応する8本編みのPEライン。
号数2.0号で最大強度15kgと泳がせ釣りにおいて、十分なスペックを持ち合わせており、マルチカラーリングで1m、10mの水深判別が可能。
- 浅場から中深海までの泳がせ釣り
- ガイドの糸鳴りを抑えたい方
DAIWA(ダイワ)UVF PEデュラセンサー×8+Si²
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
2号 | 35lb(15.8㎏) | 200、300m |
2.5号 | 42lb(19㎏) | 200、300m |
3号 | 49(22㎏) | 200、300m |
4号 | 53lb(24㎏) | 200、300m |
5号 | 66lb(30㎏) | 300m |
6号 | 79(35㎏) | 300m |
マッスルPEといわれる密編み設計で、糸としての質が格段に向上し、トラブルレスが魅力のPEライン。
こすれに強く耐久性も向上し音鳴りも少なく、泳がせ釣りに適したスペックがおすすめの理由。
- 浅場から中深海までの泳がせ釣り
- 耐久性や音鳴りを抑えたい方
DUEL(デュエル) ハードコア PEライン X8
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
1.5号 | 13.5㎏ | 300m |
2.5号 | 20㎏ | 300m |
3号 | 23㎏ | 300m |
4号 | 27㎏ | 300m |
5号 | 36㎏ | 300m |
マイクロピッチ8ブレイデッド 強くてしなやかな「安定強度」が特徴のPEライン。
ハイグレード×ハイパフォーマンスで、 強く、しなやかなPEラインで、泳がせ釣りでも感度と操作性に優れていることがおすすめの理由。
- 大型魚狙いの泳がせ釣り※4,5号
- 浅場から中層までの泳がせ釣り
クレハ シーガーPE X8
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
2号 | 15.9㎏ | 200、300、400m |
3号 | 21.8㎏ | 200、300、400m |
4号 | 28.1㎏ | 200、300、400m |
5号 | 35.4㎏ | 200、300、400m |
6号 | 39㎏ | 300m |
高感度・高強力・高視認性が魅力の8本編みPEライン。
青物などの大物狙いに使用できる6号まで、幅広い号柄をラインアップしているので、フィッシングスタイルあったライン選びができるのがおすすめの理由。
- 大型魚狙いの泳がせ釣り
- 浅場から中深海までの泳がせ釣り
泳がせ釣りにおすすめのナイロンライン
DUEL カーボナイロンライン 釣り糸 CN500
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
6号 | 11㎏ | 500m |
8号 | 14㎏ | 500m |
10号 | 17㎏ | 500m |
様々なフィールドで使えるオールラウンドタイプとして設計された「カーボナイロンライン」
ナイロンの操作性と、直線や結節強度、 これにフロロカーボンの低伸度性と高感度性能を兼ね備えたハイブリッドライン。
ビギナーから上級者まで使いやすいのがおすすめの理由。
- ナイロンラインでも感度を重視したい方
- フロロカーボンと同程度の耐久性が欲しい方
- 浅場から中深海までの泳がせ釣り
DAIWA(ダイワ)ジャストロンDPLS
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
5号 | 約9㎏ | 500m |
6号 | 約10㎏ | 500m |
好みで選べる6カラーが魅力のダイワの汎用長巻ナイロンライン。
優れた結束能力があり糸グセがつきにくく、しなやかで使いやすいのがおすすめの理由。
低価格で高品質、長巻とコスパに優れたナイロンラインです。
- 低コストのナイロンラインが欲しい方
- ライト泳がせ釣り向きのラインが欲しい方
ヤマトヨテグス 漁業者専用 プロライン
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
6号 | 25lb(約11㎏) | 1000m |
7号 | 30lb(約13.6kg ) | 1000m |
8号 | 35lb(約15.8kg) | 1000m |
10号 | 40lb(約18㎏) | 1000m |
より強度を求めるプロ(漁業者)が使用する漁業者専用ナイロンライン。
やや硬質設計となっており、抜群にサバキが良いのが特徴で、このクラスでは直線・結節強度はもちろん、伸びも最小限で感度も良好。
号数バリエーションも豊富で、あらゆる釣りに使用できるのがおすすめの理由。
※2号~20号まで5lb刻みで13種
- 浅場から中深海までの泳がせ釣り
- コストの低いラインが欲しい方
サンヨーナイロン ライン エクストラ V-500
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
6号 | 10kg | 500m |
7号 | 11.3kg | 500m |
8号 | 12.7kg | 500m |
10号 | 15.8㎏ | 500m |
コストパフォーマンスに優れた500m巻きのナイロンライン。
2号から200号まで道糸としても、ハリスとしても汎用性が高く、小物から大物・深海まで対応可能なのがおすすめの理由。
- コスパに優れたナイロンラインを探している方
- 浅場から深場までの泳がせ釣り
サンライン クインスター
号数\比較 | 強度(㎏) | ライン長さ |
6号 | 10㎏ | 600m |
7号 | 11.3㎏ | 600m |
8号 | 12.7㎏ | 600m |
10号 | 15.8㎏ | 600m |
1.5号から50号までが揃い、巻きグセがつきにくく、強さとしなやかさを合わせ持った糸質が特徴の「コスパナンバー1」のナイロンライン。
操作性に優れる上に汎用性も高く、使うフィールドを選ばないため、泳がせ釣りでも使用可能なのがおすすめの理由。
- 泳がせ釣り全般
- コスパに優れたラインが欲しい方
PEラインを選ぶならリーダーは必須!

泳がせ釣り用ラインにPEラインを選ぶのであれば「ショックリーダー」は必須となります。
なぜなら、PEラインの弱点やデメリットである「摩耗耐性の低さ」や「伸縮性のなさ」をショックリーダーが補ってくれるからです。
仮にPEラインを泳がせ釣りでショックリーダーなしで使用した場合、サルカンやスナップなどへの結束部が弱くなり、高切れする可能性が非常に高くなります。
また、根魚などを狙う場合、岩場などにPEラインがすれてしまうと、どれだけ太いラインを使用していても、簡単に根ズレで切れてしまいます。
このように、PEラインのみで泳がせ釣りを行うことはデメリットが大きいので、必ずショックリーダーを結束し、PEラインの弱点やデメリットを補ってください。
リールとの相性も考えて選ぼう!

泳がせ釣りで使用するライン選びには「リールとの相性」も重要になります。
なぜなら、リールにはそれぞれ糸巻量が決まっており、PEライン、ナイロンラインで同じ張力であっても太さが全く違うからです。
- PEライン2号の直径=0.242㎜
- ナイロンライン12号の直径=0.57㎜
このように素材の違いによって、2倍以上太さが違います。
仮に、PEライン2号が200m巻けるリールの場合、ナイロンライン12号では半分の100m程度しか巻くことができない計算になります。
ナイロンラインが必要な泳がせ釣りであっても、100m程度しか巻くことができないのであれば、不意に大物が掛かった時に、少しでもラインを引き出されてしまえば、そこでファイト終了になる可能性もあります。
そのため、ラインを選ぶ時にはリールとの相性を考え、使用したいラインが必要量巻けないのであれば、リールを替えるといった選択肢も必要になるでしょう。
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船からの泳がせ釣りでは専用の竿が必要!

船からの泳がせ釣りでは、ラインやリールだけではなく「泳がせ釣り専用」の竿があると釣果は確実に伸びます。
なぜなら、泳がせ釣り専用の竿はターゲットとなる魚種に合わせて最適に設計され、キャッチ率が高くなっているからです。
例えば、根魚狙いの泳がせ釣りに必要な竿の特徴は以下の通りです。
- パワー重視設計
- グラスソリッド
このように、根魚の強烈な引きに対応できるようにパワー重視で設計され、折れにくいようにグラスソリッド製の竿が使用されます。
このように、船からの泳がせ釣りでは狙う魚種によって竿を選択することが釣果につながる重要なポイントになるので、ラインやリールと合わせて竿もしっかりと選ぶようにしましょう。
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まとめ
泳がせ釣りで使用するラインを選ぶ時には、以下のポイントをしっかりと考えて最適なラインを選ぶようにしましょう。
- ラインの種類
- ラインの太さ
- ラインの長さ
また、泳がせ釣りでPEラインを使用する際には、ショックリーダーを使用することでデメリットを補い、リールとの相性や専用竿の使用など、総合的に判断してラインを選ぶと良いでしょう。
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