漁港内のスロープは漁業関係者でないと利用できないと思っている方が多いようですが、管理者に許可を取ることで条件はありますが利用できるようになります。
しかし誰が管理しているのか、どのように許可を取ればいいのか分からないという方も多いようです。
そこでこの記事では、私が実際に漁港内のスロープ利用に関しての許可を取得するときの方法や、流れについて解説していきたいと思いますので、漁港内のスロープを使用したいと考えている方は、参考にしてみてください。
ダメではない関係者以外の港湾施設の利用

漁港内にあるスロープは使用できないと思っている方も多いと思いますが、実は関係者以外でも使用可能な場合があります。
平成9年10月3日各都道府県知事あてに「漁港における漁船以外の船舶の利用について」通知が来ており、一部抜粋してご紹介していきますと
既存漁港施設において漁港管理者が漁船の漁港利用に支障がないと判断する場合には、海洋性レクリエーションの施策の拡大を求める国民の要望に対応し、下記により、プレジャーボート等漁船以外の船舶による漁港利用に対応することとしたので、御了知の上、適正な漁港利用が行われるよう努められたい。
近年都市近郊を中心にプレジャーボート等による漁港利用のニーズが増大しており、漁港本来の目的を阻害しないと判断される漁港においては、公共施設としてこれらのニーズに応えていく必要がある。
と漁港施設の一般利用を「認めていきましょう」という内容が盛り込まれています。
しかし、注意しておきたいこととして
対象漁港として漁港管理者が、プレジャーボート等による漁港利用のニーズがあり、かつ、漁業情勢の変化、漁閑期の都合等により、漁港における漁業活動に支障のない範囲内でプレジャーボート等の受入れが可能であると認める漁港とする。
とありますので、漁港管理者が漁業活動に支障がない場合には受け入れ可能だが、支障をきたすようであれば受け入れは出来ませんという事にもなります。
その為、漁港施設の利用については漁業関係者優先で、適切なマナーやルールに沿った利用が求められるでしょう。
漁港内のスロープ利用許可取得までの流れ

ここでは、漁港内のスロープ利用の許可取得までの流れを解説していきますので、許可の取り方が分からない、どこに連絡すればいいのか分からない、といった方は参考にしてください。
※ 漁港管理者は地域や施設によって異なる場合があるため、複数の場所に問い合わせる必要がある場合があります。
ステップ1 管理者を調べる
「漁港管理者が全く分からない」「調べ方もわからない」という方はまず、グーグルで検索するといいでしょう。
その時に「○○漁港 管理者」などで調べると情報が出てきますが、出てこない場合にはグーグルマップを使用してみましょう。
グーグルマップで出航したい港を拡大していくと「○○港管理事務所・○○漁協組合」と出てくるのでグーグルで検索して電話番号を調べましょう。
小さな漁港などでは、近くの漁港が合わせて管理していることもあるので、検索して分からない時には、近くの漁港にある施設を調べて管理者の確認を行ってください。
ステップ2 使用許可の連絡を取る
電話番号が分かったら直接連絡を取っていくのですが、ホームページがありメールでの問い合わせが出来るのであればメールでも構いません。
まず初めに漁港施設の管理者であるかどうかを確認します。
連絡した施設が管理者の場合にはそのままスロープを利用できるかどうか確認し、利用の許可を取りましょう。※(利用目的を聞かれることもあるのでレジャー目的での利用と答えましょう)
その際に、スロープの利用に関して料金が発生するのかも含めて聞いておくと安心して利用できます。
管理者が別であった場合には、管理者が誰であるのかを確認し同じように連絡を取っていきましょう。
ステップ3 利用に関しての注意事項は必ず聞く
スロープ利用の許可が取れたら必ず「利用に関しての注意事項」についても合わせて確認します。
筆者が注意事項を聞いた時には
①ロープやチェーンを緩めたら元に戻して出船すること
②スロープ内に車両を止めないこと
③関係者の邪魔にならないように
④ごみは持ち帰ってください
でした。
③と④は常識の範囲内で当たり前として、①は無断侵入や無断利用を防ぐためにロープやチェーンを緩めて侵入したときには、しっかりと張りなおして出船してくださいとのこと。
②に関しては過去にスロープの上の方なのですが、水平になったスロープ内に車両を駐車して出航した方がいて、漁業関係者がスロープ利用の際に邪魔になったことがあるから、漁港内の広く邪魔にならない場所に駐車してくださいとのことでした。
これは筆者が漁港内のスロープ利用に関して、実際に管理者から注意事項として指摘されたことなのですが、場所によって注意事項は変わってくることが考えられますので、利用許可を取る際に必ず合わせて確認しておきましょう。
トラブルを事前に避けるために出来ること

トラブルは原因を知ることで必ず回避できます。
ここでは、漁港施設利用でトラブルにつながりやすい原因について解説していきますので、トラブルを避けるために役立ててください。
漁業関係者最優先!
漁港における漁業活動に支障のない範囲内で、プレジャーボート等の受入れが可能であると認める漁港が一般人が利用できる条件となっているので、この条件は絶対に忘れてはいけません。
漁業関係者は漁業で収入を得て生活をしていますが、利用させてもらう私たちは「レジャー」での利用で、当たり前のことですが優先されるべきは関係者です。
その為、漁港内のルールやマナーはしっかりと守り、漁業関係者優先で仕事に支障が出ないように努めましょう。
駐車スペースは必ず守ろう!
少し上記しましたが、漁業関係者とのトラブル原因として多いのが、駐車スペースの問題です。
スロープから遠いからと近くに停めてしまいがちですが、一度出船してしまうと最低でも数時間は連絡も取れず、邪魔な場所に駐車したままになってしまいます。
このような状況が続くのであれば、漁業活動に支障ありと判断され漁港施設の利用が出来なくなる恐れもあります。
その為、面倒であってもちゃんとした駐車スペースまで移動して、出船することを心掛けましょう。
地元住民への配慮を忘れない!
漁業関係者の配慮はもちろんですが、地元住民への配慮も忘れてはいけません。
港から出船する時間帯というのは基本的に朝早い時間、まだ日が上がりきらないうちに出船することが多いのではないでしょうか。
そんな中、スピードを出した状態で民家のそばを通り過ぎたり、出船準備中に大きな音を立てたり大声で喋っていませんか?
地元住民からすると休みの朝、早い時間にスピードを出した状態で通行したり、大きな音や大声での会話は迷惑以外の何物でもありません。
結果として管理者に苦情が届き、港湾施設の利用が制限されることになりかねません。
そのような事態を避けるためにも、地元住民への配慮は忘れないようにしましょう。
ゴミの処理は確実に!
この問題はアングラーとして人として当たり前のことですが、残念なことに自分の出したごみに無関心な人が少なからずいるようです。
港の施設は組合員が定期的に清掃やメンテナンスを行うことで、使用できる状態が保たれていますが、自分の出したごみの処理が出来ていないと、当然ながら施設の利用が出来なくなります。
「釣り場は来た時よりもきれいに」とよく言われます。
ここまでする必要はないのかもしれませんが、せめて自分の出したごみには責任を持ち確実に処理するようにしましょう。
まとめ
関係者以外も漁港のスロープを利用することは出来ますが、管理者の許可が必要であり無断使用は避けた方が無難です。
許可をとっても利用する際にはルールを守り、漁業関係者優先で駐車場や地元住民への配慮も忘れず、ごみは持ち帰って処分しましょう。
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