ボートフィッシングであると非常に便利なアイテムがエレキモーターですが、何を基準に選べばいいのか悩む方も多いですよね。
そこでこの記事では、2馬力ボート歴15年以上の経験をもとに、エレキ選びのポイントや基準、おすすめのエレキまで合わせてご紹介していきたいと思います。
また、エレキモーターに必要なバッテリーの選び方や、注意点についても合わせて解説していますので、参考にしてください。
船舶免許不要で操船できるエレキの条件

免許不要で操船できるボートのサイズは11ft(3.33m)、船外機が2馬力以下となっており、この基準の範囲内であれば船舶免許の必要はありません。
エレキは馬力ではなくキロワットという単位で出力が表示されますが、2馬力をこの基準で表すと1.5kw以下が、免許不要で操船できるエレキモーターの基準となります。
エレキモーターの商品にはワット数で表記してあり、2馬力の判断がしやすい商品もありますが、表記がない場合には推進力(lb)からおおよそのワット数を計算できます。
電力(W)=電圧(V)×電流(A)
12Vエレキモーターの消費電流目安は、10lb の推力 =約10A(※アンペア数はモデルによって8~10A)なので、計算式に当てはめて計算するとおおよそのワット数を出すことができます。
12Vエレキモーターの消費電力目安
- 30 lb の場合: 12V × 25A = 300W
- 40 lb の場合: 12V × 30A = 360W
- 55 lb の場合: 12V × 50A = 600W
24Vエレキモーターは12Vに比べて約半分の電流で同じ推進力を得ることができるため、約4~5Aの消費電力でエレキモーターを稼働させることができます。
24Vエレキモーターの消費電力目安
- 55 lb の場合: 24V × 25A = 600W
- 80 lb の場合: 24V × 45A = 1,080W
- 100 lb の場合: 24V × 55A = 1,320W
計算しにくいといった方は、2025年1月時点の法律では125lb以下を選ぶと1.5kw以下となるので目安としてください。
エレキは操作方法で2種類に分けらている

エレキの種類には2種類あり、それぞれにメリットやデメリットが違い、使用方法も変わってきますので自分のフィッシングスタイルに合ったエレキを選びましょう。
足で操作するフットコン
フットコンは呼び名の通り足で操作するエレキで、バスボートなど船首側で操作しているのを目にすると思います。
フットコンは細かい操作が出来るようになることがメリットですが、足での操作操船になるので両手が自由になり、自分の狙いやすい場所からポイントを細かく探っていけるようになることもメリットとなります。
デメリットとしては、「足での操作が難しい・コスト高」などがあり、ボートの形状によっては取り付けの際に手間がかかることもあります。
手で操作するハンドコン
ハンドコンは主にトランサム(船尾)側に取り付けられるエレキで、ボートを移動させるメインモーターとしての利用に向いています。
フットコンと違い手で操作するため操船しながらの釣りは難しく、細やかな操作は苦手です。
メリットとしては「取り付けが簡単・コスト低」などがあげられ、デメリットとしては操船しながらの釣りのは向かないといったところです。
エレキを選ぶときに意識しておきたい4つのポイント
ここでは、エレキ選びのポイントについて解説していきますので、購入の参考にしてみてください。
プロペラの枚数
エレキの推進力の強さはプロペラの枚数で違い、枚数の多いものほど推進力が高く、枚数が少ないプロペラほど推進力は低くなります。
一般的に販売されているエレキであれば2枚~3枚のプロペラが多く流通しているので、用途に合ったエレキを選ぶようにしましょう。
電源となるバッテリー
エレキの動力はバッテリーになりますが、エレキによって12V~24Vのバッテリーが必要になるため、購入前に必要な電圧を把握しておく必要があります。
一般的に、電圧が高いほど推進力が強くなり、低い電圧ほど推進力は弱くなるため、高い推進力を得たい場合は24Vのエレキを選ぶとよいでしょう。
エレキモーターに使用するバッテリーには、鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーがあります。鉛バッテリーには24Vがないため、12Vバッテリーを2個直列でつなぎ、24Vバッテリーにする必要があります。
リチウムイオンバッテリーには、最初から24Vの商品がありますが、エレキモーターによってはリチウムイオンバッテリーが故障の原因となることもあり、使用できない場合があるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
変速機能付きのエレキ
変速機能には、段付きの変速とスロットルの開き具合で無段階に調整できるものがあります。
段付きの変速では3段~5段で変速できるエレキが多く、コストがかからないというメリットがあり、無段階で調節できるエレキでは、操作性や推進力は高くなりますがその分、コストがかかってしまうというデメリットがあります。
コスト面がクリアできるのであれば、無段階変速のエレキのほうが使い勝手が良く細やかな調整ができるので、無駄な電力を消費せず航続距離も長くなるのでおすすめです。
シャフトの長さ
2馬力ボートに取り付けるエレキモーターを選ぶ際には、「シャフトの長さ」も重要なポイントとなります。
シャフトの長さが重要な理由は、長すぎるとボートの縁よりかなり高くなり、操作がしにくくなったり、釣りの邪魔になったりするためです。
また、短すぎるとプロペラが水面から出てしまい、推進力を得られなくなってしまいます。
目安として、ゴムボートやローボートなどトランサム部が小さく、水面までの距離が近いボートであれば、「36インチ」のシャフトの長さのエレキモーターがおすすめです。
アルミボートであれば「42インチ」、FRP製ボートやバスボートには「50インチ」のエレキモーターがおすすめです。
- ゴムボート/ローボート=36インチ
- アルミボート=42インチ
- FRP/バスボート=50インチ
2馬力ボートにおすすめのエレキモーター11選

ここでは、2馬力ボートにおすすめのエレキについてご紹介していきたいと思います。
モーターガイド R5-70HTV-42
メーカー | モーターガイド |
電圧 | 24V |
最大推進力 | 70lb |
シャフト長さ | 42インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
24Vのパワフルな推進力で、エレキのみで移動しなければならない船外機禁止のフィールドでも活躍すること間違いなしのエレキモーター。
セッティングが簡単なクランプ式マウントを採用しており、短時間で取り付けや取り外しが可能、無段階変速によりバッテリーの持ちがよく、スムーズで正確な速度調整ができるのも魅力。
デメリットは淡水仕様のため、海で使用できないこと。
【モーターガイド】R3シリーズ 55HTV-42
メーカー | モーターガイド |
電圧 | 12V |
最大推進力 | 30~55lb |
シャフト長さ | 36~42インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
シンプルな構造のハンドコンで簡単操作、5段階変速(HT)と無段階変速(HTV)共にリーズナブルな価格で幅広いアングラーから支持を受けるエントリーモデル。
5段階、無段階変速合わせて8機種、30lb~55lbの中から選べるのが魅力。
淡水専用モデルのため、海水域での使用はできません。
【MINNKOTA】ENDURA C2 50
メーカー | ミンコタ |
電圧 | 12V |
最大推進力 | 50lb |
シャフト長さ | 30~36インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
インフレータブルボート、レンタルローボート、ヘラ釣り、 ワカサギ釣りなど多数採用されているミンコタのエントリーモデル。
バッテリーメーターを搭載しており、残量を確認できることが魅力。
初めて方からベテランまで幅広い層に人気のエントリーモデルとなっています。
【MINNKOTA】ENDURA MAX
メーカー | ミンコタ |
電圧 | 12V |
最大推進力 | 55lb |
シャフト長さ | 36インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
ENDURAC2の使い易さに加え、デジタルマキシマイザーを搭載することで、より細かくスムーズに操作することが可能な【ENDURA MAX】
5段階変速に比べ最大約5倍もの時間バッテリーを長持ちさせることが可能で、インフレータブルボート、レンタルローボートなどに最適な機種となっています。
【MINN KOTA】TRAXXIS 80 80lb-42inc
メーカー | ミンコタ |
電圧 | 24V |
最大推進力 | 80lb |
シャフト長さ | 36~42インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
ワンハンドストウマウントなど、使い易さを追求したハイエンドモデル。
チルト&テレスコピックハンドルを搭載し、座った状態での操船だけでなく、立ち上がった状態での操作も可能。
また、無段階変速によりバッテリー持ちもよく、推進力80lbのパワフルさは移動時間の長くなる釣りで活躍します。
【ミンコタ】 RIPTIDE TRANSOM
メーカー | ミンコタ |
電圧 | 12V |
最大推進力 | 55lb |
シャフト長さ | 36インチ |
使用可能水域 | 海水域 |
海水モデルである【RIPTIDE TRANSOM】はミンコタのロングセラーモデルの一つ。
テレスコピックハンドルやバッテリーメーターを搭載し、操作性も抜群でインフレータブルやスモールボートに最適。
操作性に優れた性能はボートフィッシングだけではなく、漁業の分野でも大活躍している信頼性が高い機種。
【HAIGE】 海水対応 24V 推力110lbs HS-50728
メーカー | ハイガー |
電圧 | 24V |
最大推進力 | 110lb |
シャフト長さ | 約32インチ |
使用可能水域 | 淡水・海水 |
群馬県に本社を置くハイガーの手掛けるエレキモーター。
海水・淡水対応のハンドコンタイプで、トルクの強いブラシレスモーターで110lbsの高い推進力が魅力。
バッテリーインジケーター搭載、5段階の表示でおおよその残量が一目でわかることで、安心して釣りを行うことができます。
注意点としてリチウムイオンバッテリーは故障の原因となるため、使用することができません。
【HAIGE】ハンドコン 55lb 海水対応 HS‐50703‐90
メーカー | ハイガー |
電圧 | 12V |
最大推進力 | 55lb |
シャフト長さ | 60センチ(約24インチ) |
使用可能水域 | 淡水・海水 |
12V、55lbのモデルはバランスが良く、軽量で使い勝手が良いモデル。
スロットルの長さを23センチから37センチの間で調整可能で、9段階の角度調整ができることから高い操作性が魅力。
シャフトの長さが短いので、ローボート向けのエレキモーターで、メーカー推奨バッテリー容量は、「ディープサイクルバッテリーの105Ah」となっていますが、リチウムイオンバッテリーは不可となっています。
【モーターガイド】 X3 55-36
メーカー | モーターガイド |
電圧 | 12V |
最大推進力 | 55lb |
シャフト長さ | 36インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
新型コンポジットシャフトの採用により、ボートやマウントへの衝撃によるダメージを軽減してくれるため、浅場を攻めることの多い釣り方においておすすめの機種。
従来よりも安定性を強化した新設計フットペダルにデュアルケーブルステアリングシステム(2ワイヤーケーブルシステム)の採用で、クラス最高水準の精密で正確なボートコントロールができることがおすすめの理由。
【MINN KOTA】MAXXUM 70
メーカー | ミンコタ |
電圧 | 24V |
最大推進力 | 70lb |
シャフト長さ | 42インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
ミドルレンジのロングセラーモデルとして親しまれているMAXXUM、推進力70lbのハイパワーが魅力。
シャフト長さ42インチはアルミボートやFRPボートまで幅広い使い方ができることがおすすめの理由。
また、360°バウガードを搭載することで衝撃からシャフトを守ることができる設計となっています。
【MINN KOTA】EDGEシリーズ
メーカー | ミンコタ |
電圧 | 12V |
最大推進力 | 40~70lb |
シャフト長さ | 36~45インチ |
使用可能水域 | 淡水域 |
幅広いラインナップと扱い易さを追求したロングランモデルで、操作性と耐久性を両立させている「EDGEシリーズ」。
ヒンジドアを採用することでシャフトの脱着を可能にし、持ち運びにも最適なフットコンです。
マウントとシャフトの脱着が可能なため、レンタルボートユーザーに最適なモデルで、初めてにおすすめな5段階変速のフットコン初心者モデル。
エレキに必要なバッテリーの選び方と注意点

エレキモーターに使用するバッテリーを選ぶ際には、以下の五つのポイントを押さえた選び方が重要です。
- 電圧
- バッテリー容量
- ディープサイクルバッテリー
- 鉛・リチウムイオン
- バッテリー重量
まず、2馬力エレキモーターに使用される電圧は12Vから24Vが主流となっているため、使用するエレキに合ったバッテリー電圧が必要です。最も人気のあるバッテリー容量は100Ahですが、容量が大きくなるほど重量も増すため、自分に合った容量のバッテリーを選ぶことが重要です。
また、繰り返しの充放電に強く、一定の電力供給が得意なディープサイクルバッテリーの方が、エレキモーターの電源として最適です。
さらに、電池の種類には鉛とリチウムがあり、鉛バッテリーは安価ですが重量があり、劣化が早いというデメリットがあります。
一方、リチウムイオンバッテリーは高価ですが、エネルギー密度が高く、急速な充放電が可能で、劣化しにくく長寿命であることが魅力です。
- 鉛バッテリー=安価だが重く、劣化が早い
- リチウムイオンバッテリー=急速な充放電と長寿命だが高価
そのため、エレキモーターに使用するバッテリー選びでは、「電圧・バッテリー容量・ディープサイクルバッテリー・鉛またはリチウムイオン・バッテリー重量」の五つのポイントを押さえて選ぶと、失敗しにくいでしょう。
注意点として、リチウムイオンバッテリーはメーカーによっては故障の原因となるため、使用が制限されていることがるので、所有しているエレキモーターのメーカーの公式ホームページで確認してから購入することをおすすめします。
エレキモーターに使用するバッテリーの選び方や、おすすめのバッテリーについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
【2025年最新】エレキモーターにおすすめバッテリー13選!容量/連続使用時間/注意点も解説!
まとめ
操船免許不要で操船できるエレキモーターの基準は、「全長3.33m以下のボート」「出力1.5kw以下」「推進力125lb以下」となっています。
エレキモーターを選ぶ時には、プロペラの枚数やバッテリー、変速機能やシャフトの長さを考慮して選ぶと最適なエレキモーターを選ぶことができるでしょう。
コメント