2馬力ボートに使用できるアンカーには、いくつかの種類がありそれぞれにメリットやデメリットがあります。
それらをしっかり理解して選ばないとアンカーとしての役割を果たすことは出来ません。
そこで今回は、2馬力ボート用アンカーの特徴や選び方、メリットデメリットについても合わせて解説していきたいと思います。
アンカーが効く仕組み
アンカーには様々な種類がありますが、基本的な構造や仕組みは同じでアンカーが砂や岩、岩礁などに引っかかることで抵抗を生み、船体を固定させることが可能となます。
多くのアンカーは、海底と水平に引っ張った時に一番抵抗を得られるような構造になっているので、なるべく長いロープを用いてアンカーと海底が水平に近くなるように保つ必要があります。
短いロープでは横向きに引く力ではなく、上に引く力が加わり十分な抵抗力を得ることが出来ません。
十分な抵抗力を得るために必要なロープの長さは、使用する水深の3倍程度必要と言われているので、覚えておくといいでしょう。
2馬力ボートには3㎏~4㎏のアンカーがベスト!

アンカーの基本的な選び方ですが、船の長さによってある程度の基準があり、その基準によって選ぶことで失敗しにくいでしょう。
2馬力ボートの全長は最大で11ft(約3.33m)なっており、この基準で合わせていくとおよそ3㎏~4㎏が適正な重さとなり、アンカーとしての役割を果たしてくれるでしょう。
効き方に不安があるのであればもう少し重いアンカーでも問題ありませんが、2馬力ボートには巻き取り用のモーターは備わっていないことがほとんどなので、手巻きでの巻き上げとなり肉体的な負担は重さに比例して大きくなります。
実際に5㎏のアンカーを水深25m程度の場所で使用しましたが、引き上げに非常に苦労しました。
その為、あまりにも重すぎるアンカーは避けたほうが無難でしょう。
- 2馬力ボートに必要なアンカーの重さは3~4㎏
- 重過ぎるアンカーはNG
アンカーの種類とメリットデメリット
ここでは、アンカーの種類とメリットデメリットについて解説していきますので、2馬力ボート用アンカー選びの参考にしてみてください。
マッシュルーム型
- 場所:砂利〇・泥底〇・岩場△
- 深度:浅場
- 使用船舶:2馬力ボート・水上バイク・小型船舶
見た目の形からマッシュルーム型と呼ばれるアンカーで、2馬力ボートや水上バイク、小型船舶まで使用可能な一般的なアンカーです。
使用場所は砂利や泥底に向いており、角がないので船体を傷つけることなく使用できることがメリットで、ゴムボートでの使用がおすすめです
デメリットとしては、その形状から底に深く刺さらず抵抗力が弱くなり、引き上げ時に水の抵抗を受け重く感じてしまうことが多いので、流れの弱い場所で浅場での使用に向いています。
フォールディング型
- 場所:砂利✕・泥底✕・岩場◎
- 深度:特になし
- 使用船舶:2馬力ボート・水上バイク・小型船舶
フォールディング型の特徴は、折りたためることで狭い2馬力ボートの船内でも邪魔にならない構造になっていますが、砂利や泥底では食い込みが浅く深く刺さらないので、思っているような効果を得ることは出来ないでしょう。
しかし岩場には強く、良く掛かりしっかりとした効果を感じることが出来るので、岩場での使用ならおすすめです。
コンパクトに折りたためるので、もしもの備えとして常備しておくのもいいでしょう。
ダンフォース型
- 場所:砂利◎・泥底◎・岩場〇
- 深度:特になし
- 使用船舶:2馬力ボート・水上バイク・小型船舶
ダンフォース型のアンカーは、多くのプレジャーボートユーザーが使用するアンカーで、流通量も多く、コスパが高いことが人気の要因。
大きく張り出したスコップ状の爪が底をしっかりと掴んで、軽めのアンカーでもしっかりと役目を果たし、重量別で最も効果があります。
デメリットとして岩場での使用は引っ掛かって抜けなくなる可能性があります。
アンカーロープ角度を30~40°にするとホールド性が上り、2馬力ボートや水上バイク、小型船舶などにおすすめです。
FS型
- 場所:砂利◎・泥底◎・岩場◎
- 深度:特になし
- 使用船舶:FRP製2馬力ボート・小型船舶
FS型アンカーはフィッシングアンカーや唐人錨などと呼ばれるアンカーで、その形状は大型船などでも目にすることがあると思います。
遊漁船やプレジャーボートなど、アンカーを置く場所が確保できているボートであれば、ほとんどがこの形状のアンカーを使用しています。
FS型アンカーのメリットは、ほとんどの底質でアンカーの役目を果たすことで、使用場所を選びません。
デメリットとしてはアンカー自体が大きく角があるため、嵩張ってしまい邪魔に感じることもあるでしょう。
しかし、アンカーとしての力(把注力)は全アンカーの中で最も高いので、FRP製の2馬力ボートであればおすすめです。
フックアンカー
- 場所:砂利✕・泥底✕・岩場◎
- 深度:特になし
- 使用船舶:FRP製2馬力ボート・小型船舶
フックアンカーは岩場専用のアンカーで、砂利や泥底の底質での使用には向かないアンカーになります。
岩場での使用に特化しているため、万が一根がかりしても力を加えて引くことで先端のフックが伸びてほとんどの根がかりを解消することが出来ます。
しかし、使用する場所が限定的であることから、2馬力ボートでは使い勝手が良いとは言えないでしょう。
2馬力ボートにおすすめのアンカーは?

ここまでアンカーの種類やメリット、デメリットについて解説してきましたが、2馬力ボートにおすすめのアンカーはボート自体の素材や釣り種、釣りをする場所によって変わります。
2馬力ゴムボートにおすすめのアンカー
2馬力ゴムボートにおすすめのアンカーは、ゴム製である船体を傷つけないように角の少ないアンカーを選ぶと失敗しずらいでしょう。
上記でご紹介したアンカーの中ではダンフォース型やマッシュルーム型、フォールディング型などがおすすめのアンカーです。
2馬力FRPボートにおすすめのアンカー
ボートがFRP製であるのであれば、角張ったアンカーでも問題なく使用できるので、どのアンカーでも使用できるでしょう。
しかし、2馬力ボートの船内は思っている以上に狭いので、コンパクトで邪魔にならないものがおすすめで、ダンフォース型や万能型であるFS型アンカーが最もおすすめのアンカーです。
安全のためにもアンカーは必要!

海上では様々なトラブルが起こる可能性がありますが、多くの2馬力ボートユーザーが経験する事が船外機に関するトラブルです。
さっきまでは問題なく始動できていたのに、いきなりエンジンがかからなくなったり、スクリューが回らなくなったりと航行不能になることがあります。
その場合、自分でエンジントラブルを解決する必要がありますが対処中ボートは流され続け、最悪の場合には漂流ということになりかねません。
そのような状況を避けるためにも、アンカーをボートに乗せておくことは非常に重要であり、安全のためにも必須であると言えるのです。
底質判別には魚群探知機が有利
底質が砂地なのか岩場なのかを判別するために「魚群探知機」が必要になります。
もちろん、アンカーを実際に落としてみれば、ある程度の底質は判別可能ですが、アンカーに向き不向きがある以上、効率的な判別方法ではありません。
そのため、底質判別機能が備わっている魚群探知機の使用が、最も効率よくアンカーを利かすための方法となります。
底質判別機能はすべての魚群探知機に備わっているわけではありませんが、海底の硬さを0〜20でグラフ表示し、海底の硬さから底質を判別できる仕組みとなっています。
2馬力ボートは航行速度が遅く、広範囲を探ることができないというデメリットがあります。
それに加えて、底質に合ったアンカー選びを失敗してしまうと、アンカーが効かなかったり効くまでに時間がかかってしまうなど、非常に不利な状況になります。
そのため、底質判別機能付きの魚群探知機を導入し、効率よくポイントに付けることができるようにしておく必要があるでしょう。
2馬力ボートにおすすめの魚群探知機について、詳しく知りたい方は下記記事がおすすめです。
【2024年度版】2馬力ボートにおすすめの魚群探知機5選!必要な理由と選び方とは?
まとめ
ここまで、2馬力ボートアンカーの種類や、メリットとデメリットを基準にした2馬力ボート向けアンカーは
- アンカーの重さは3~4㎏
- FRP製2馬力ゴムボート=ダンフォース型や万能型であるFS型アンカー
- 2馬力ゴムボート=ダンフォース型やマッシュルーム型、フォールディング型
となっています。
この記事を参考に、ご自身のボートにあったアンカーを選んでください。
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