船釣りは、陸からは届かない沖のポイントで大物を狙える非日常体験が魅力のマリンレジャーです。
しかし、初めての方にとっては、予約方法や持ち物、服装、船酔い対策など、不安な点も多いでしょう。
そこで本記事では、初心者が安心して船釣りを楽しむために押さえておきたい13のポイントを、マイボートや遊漁船で15年以上船釣りを楽しんできた経験をもとに、徹底解説します。
船釣りの魅力

船釣りの最大の魅力は、陸からは届かない沖のポイントに行けることです。
堤防釣りや磯釣りでは狙えない大物や高級魚に出会える可能性が広がり、アジやサバといった身近な魚から、マダイ・ヒラメ・青物などの憧れのターゲットまで幅広く狙えます。
また、魚影の濃いエリアに船長が案内してくれるため、初心者でも釣果を得やすいのも大きなメリットです。
さらに、潮風を浴びながら広い海原に出る体験は非日常そのもので、釣りだけでなくリフレッシュや家族・仲間との思い出作りにも最適です。
最近ではレンタルタックルやサポート体制の整った船宿も増え、手ぶらで気軽に挑戦できる環境が整っています。
このように、初心者でも安心して楽しめるのが船釣りの魅力といえるでしょう。
釣り船の種類と選び方

ここでは、釣り船の種類と選び方について解説していきます。
乗合船と仕立(チャーター)の違い
船釣りには大きく分けて「乗合船」と「仕立船(チャーター)」があります。
乗合船は複数の釣り客が同じ船に乗り、料金が比較的安く、初心者でも気軽に参加しやすいのが特徴です。釣り座や人数に制限はありますが、船長や常連客からアドバイスをもらえることも多く、学びながら楽しめます。
一方で仕立船は船を一隻まるごと貸し切るスタイルで、家族や仲間同士で自由に釣りができるのが魅力です。料金は高めですが、釣り方や時間配分を柔軟に調整できるため、プライベート感を重視する方に向いています。
目的(魚種)で選ぶ
船釣りを楽しむうえで重要なのは「何を釣りたいか」を明確にすることです。
船によって対象魚や仕掛けが異なり、初心者向けのアジやサバから、大物狙いのマダイ・ブリ・ヒラメまで幅広く楽しめます。
まずは釣りたい魚種を決めてから、それに対応した船を選ぶことで釣果も安定しやすく、満足度の高い釣行につながります。
船釣りでできる代表的な釣り
- アジ釣り
- サバ釣り
- イサキ釣り
- タイラバ(マダイ)
- ヒラメ釣り
- ジギング
- ライトジギング
- スーパーライトジギング
- 泳がせ釣り(青物・根魚・ヒラメなど)
- イカ釣り(スルメイカ・ヤリイカなど)
基本的には、釣り船によって扱う釣り種や得意な釣りが異なるため、釣り船のホームページや直接電話連絡するなどして確認してから予約をするといいでしょう。
子連れ・女性向け・高齢者向けの選び方
子連れや女性、高齢者が船釣りを楽しむ場合は、快適性と安全性に配慮した船を選ぶことが大切です。
まず必須なのがトイレ設備で、特に洋式や個室タイプがあると安心できます。また、夏場は日差しが強いため屋根やキャビン(日除け・休憩スペース)がある船を選ぶと快適です。
女性や初心者にはレンタルタックルや仕掛けの販売がある船がおすすめで、手ぶらで参加できるケースも増えています。
高齢者や子供の場合は足元が安定しやすい大型船を選ぶと安心で、船長やスタッフのサポート体制を事前に確認するとより安全に楽しめます。
釣り船の見つけ方と予約方法、当日の流れ

ここでは自分に合った釣り船の見つけ方と、当日までの流れについて解説していきます。
自分にあった釣り船の見つけ方
初めて船釣りに挑戦する際は、自分のレベルや目的に合った釣り船を選ぶことが大切です。
初心者の場合は「ビギナー歓迎」「レンタル完備」と記載のある船宿を選ぶと安心です。また、狙いたい魚種やシーズンに合わせて船を決めると釣果につながりやすく、満足度も高まります。
さらに、口コミや予約サイトで過去の利用者の評価をチェックすれば、雰囲気やサービスの良し悪しも把握できます。特に子連れや女性の場合は、トイレやキャビンなどの設備が整った船を基準にすると快適に過ごせます。
釣行前に複数の船宿を比較し、自分のスタイルに合った一隻を見つけましょう。
釣り船の予約方法
釣り船の予約方法は、電話・LINE・予約サイトの3つが主流です。
電話予約は船長や船宿スタッフと直接やり取りできるため、釣り物や集合時間、レンタル有無など細かい質問に向いています。LINEは気軽に連絡でき、最近では写真で集合場所を送ってくれる船宿も増えています。
釣り船予約サイトなどでは、対応エリアや料金、設備を比較でき、初心者にも便利です。支払いは当日現金が一般的ですが、事前決済に対応する船もあります。
キャンセル規定は船宿ごとに異なり、前日・当日キャンセルは料金が発生することも多いため、事前に必ず確認しておきましょう。
出船当日までの流れ
船釣り当日は、集合時間の30分前には到着しておくと安心です。港は複数の船宿が並んでいることも多いため、事前に集合場所と駐車場の位置を確認しておきましょう。
到着したら受付や船長に名前を伝え、乗船料やレンタル代を精算します。※釣り船によって先払いや後払いがあり。
その際に氷や仕掛けの購入も可能です。次に釣り座(座席)を決め、道具を持って船へ移動します。釣り座の決め方は予約順であったり、クジやじゃんけんなど釣り船によって違いがあります。
荷物はクーラーボックスやタックルを足元に置き、通路をふさがないように整理するのがマナーです。
出船前には船長から釣り方や安全に関するアナウンスがあるので、必ず聞いておきましょう。準備が整ったら出港し、いよいよ本格的な船釣りがスタートします。
船釣り初心者が備えたい13のポイント!

ここでは、船釣り初心者が備えておくべきポイントを、「予約・準備→出船前~乗船直後→釣り開始〜帰港」の3つの段階に分けて、分かりやすく解説していきます。
予約・準備
まずは、予約・準備で備えておきたいポイントを4つ解説していきます。
予約時に「初心者」と伝える
船釣りが初めての場合は、予約時に必ず「初心者」であることを伝えましょう。
そうすることで、船長やスタッフが道具のレンタルの有無や使い方を案内してくれたり、釣り方の基本を丁寧にサポートしてくれます。
船長に「初心者」であることを伝えることは不安を減らし、安全かつ安心して船釣りを楽しむために欠かせないポイントの一つです。
船の設備を事前確認
快適に船釣りを楽しむためには、事前に設備を確認することが大切です。
特にトイレの有無や屋根・キャビンの有無は、女性や子供、高齢者にとって安心材料になります。また、レンタルタックルや氷、クーラーボックスが用意されている船を選べば、荷物が少なく済み、初心者でも安心して参加できます。
桜マーク付きライフジャケットは必須
船釣りでは桜マーク(国土交通省認定)付きライフジャケットの着用が法令で義務づけられています。
桜マークがない製品では検査に通らず、安全性も保証されません。多くの船宿で無料レンタルがありますが、サイズや数に限りがあるため、自分用を用意しておくと安心です。
命を守る装備として必ず準備しましょう。
国土交通省:ライフジャケットの着用義務拡大
道具はシンプル&レンタル活用
初心者が船釣りを始める際は、道具を無理にそろえる必要はありません。
多くの船宿では竿やリール、仕掛けをレンタルでき、手ぶらでも参加可能です。まずは必要最低限の道具で体験し、自分に合ったスタイルを見つけてから購入すると無駄がありません。
軽装備で気軽に始められるのも船釣りの魅力です。
出船前〜乗船直後
ここでは、出船前~出船直後に備えておきたいポイントについて解説していきます。
酔い止め&睡眠で船酔い対策
船釣りの最大の敵は船酔いで、これが原因で船釣りをあきらめてしまう人も少なくありません。
効果的な対策としては、前日にしっかり睡眠をとり体調を整えることが第一歩です。さらに、出船の1時間前までに酔い止め薬を服用しておくと効果的です。
また、空腹や飲酒は酔いやすくなるため避け、軽く食事をして臨むのが理想です。ただし、「大丈夫」と思っていても酔ってしまうのが船酔いです。万一に備えて酔い止めは必ず携帯しておきましょう。
天気・風・波をアプリで確認
出船前には、必ず天気予報アプリで風や波の状況を確認しましょう。
風速5〜7メートル以上や波高1.5メートルを超えると、初心者には厳しいコンディションとなります。船宿が中止を判断する場合もありますが、自分でも事前にチェックしておくことで安全性が高まります。
初めての船釣りでは不安に感じることも多いため、事前にしっかり確認して不安を減らしておきましょう。
動きやすく速乾性のある服がおすすめ
船釣りでは動きやすく、濡れても乾きやすい服装が快適です。
海上は風が強く、波しぶきや雨で衣類が濡れることもあるため、シーズンに合わせて速乾性素材を中心に、体温調整ができるよう重ね着を意識すると安心です。
夏は日焼け防止のため長袖を着用し、冬は防寒インナーを活用して体温を維持しましょう。いずれの季節も「動きやすさ」と「快適さ」を両立できる服装が、船釣りにはおすすめです。
滑らない靴で安全確保
船釣りではデッキが濡れて滑りやすくなるため、滑りにくい靴を選ぶことが安全確保につながります。
デッキシューズや長靴などグリップ力のある靴を履けば、転倒やケガを防止でき、急な動きにも対応できるため安心して釣りに集中できます。
注意点としてスパイクシューズは、船のデッキを傷付けてしまうため厳禁です。
レインウェアは必須
船釣りでは天候の変化に対応するため、レインウェアは必須です。
海上では急な雨や波しぶきで体が濡れやすく、濡れたままでは体温低下や風邪の原因になりますが、一度出船してしまうと、決められた時間まで帰港できないこともあります。
レインウェアを選ぶ際は、防水性能だけでなく透湿性にも注目すると、蒸れを防ぎ快適に釣りを楽しめるでしょう。
サングラスと帽子で日光対策
船釣りでは長時間、海面との距離が近い状態で釣りを行うため、照り返し対策としてサングラスが役立ちます。
偏光サングラスを使えば水面の反射光をカットでき、クリアな視界を確保できます。また、日陰の少ない船上では、頭を直射日光から守る帽子も命を守る重要なアイテムです。
そのため、日光対策として「サングラス」と「帽子」はセットで揃えておきましょう。
釣り開始〜帰港
ここでは、釣り開始~帰港までに備えておきたいポイントについて解説していきます。
潮の状況や水深管理
釣り船で釣果を左右するのは、潮の流れや水深を意識して釣りを行うことです。
潮が速いと仕掛けが流されやすく、底取りが不正確になりターゲットに届きません。そのため、オモリの号数を調整して常に底を取ることが基本です。
また、水深は魚探や船長のアナウンスを頼りに、指示ダナを正確に守ることが重要。特に中層を回遊する魚は数メートルのズレで食いが変わるため、潮と水深を把握しながら仕掛けをコントロールしましょう。
釣った魚はクーラーボックスで鮮度キープ
釣り上げた魚は時間が経つと鮮度が落ちるため、クーラーボックスで冷やして保管することが大切です。
氷や保冷剤を入れておき、血抜きや内臓処理をした後にしっかり冷やすと刺身でも安心して食べられる鮮度を保てます。特に夏場は高温で傷みやすいため、氷は多めに準備すると安心です。
ゴミは必ず持ち帰る
船釣りでは出たごみを必ず持ち帰ることが基本マナーです。
仕掛けの袋や食べ物の包装紙、ペットボトルなどを海に落とすと環境汚染につながり、漁業や他の釣り人にも迷惑がかかります。
持参した袋にまとめて港に持ち帰れば、誰でも簡単にできるので、快適な釣り場環境を守れるようにごみの持ち帰りは徹底しましょう。
釣行後のメンテナンスでトラブル回避

釣行を終えたら、タックルのメンテナンスを必ず行いましょう。海水が付着したまま放置すると、竿やリールが錆びて寿命を縮める原因になります。
帰港後は真水でしっかり洗い流し、乾いた布でできるだけ水気を拭き取り、陰干しするのが基本です。リールはドラグを緩めて保管し、ラインも塩抜きをしておくと次回のトラブルを防げます。仕掛けやジグは錆びやすいため、使用後は早めの交換を検討しましょう。
また、クーラーボックスやタックルボックス、レインウェアなど使用したアイテムも軽く水洗いして塩を落としておくと、衛生的で長持ちします。釣った魚の処理とあわせて道具のケアまできちんと行うことが、船釣りを次回以降も快適に続けるコツです。
料金相場・支払い・キャンセル・中止時の対応
項目 | 内容 |
---|---|
料金相場 | 半日便:7,000〜12,000円前後1日便:12,000〜15,000円前後 |
支払い方法 | 当日現金が主流一部船宿では事前決済・キャッシュレス対応あり |
キャンセル料 | 船宿ごとに規定あり前日・当日キャンセルは全額請求の場合が多い |
中止時の対応 | 悪天候などで船宿が中止を判断した場合は料金不要別日への振替可能なケースもあり |
船釣りの料金は対象魚やエリアによって異なりますが、半日で7,000〜12,000円、1日便で12,000〜15,000円程度が一般的です。
支払いは当日現金が主流ですが、近年は事前決済やキャッシュレス対応の船宿も増えています。キャンセル料は船宿ごとに規定があり、前日や当日のキャンセルでは全額請求される場合も少なくありません。
一方で、悪天候などによる中止の場合は料金が発生せず、別日へ振替可能なケースもあります。事前に料金体系やキャンセル規定を確認しておけば、安心して予約できます。
船釣りのマナーとルール

船釣りでは、安全と快適さを守るためのマナーとルールがあります。
まず、他の釣り人との距離を保ち、釣り座や通路をふさがないように注意しましょう。ゴミは必ず持ち帰り、海や船内を清潔に保つことも重要です。
船長の指示や安全アナウンスには従い、道具の取り扱いや移動時の声掛けを忘れないようにします。また、仕掛けや釣り方のトラブルを避けるため、初心者は「初心者です」と伝え、レンタルやサポートを活用しましょう。
これらを守ることで、全員が安心して釣りを楽しめるので、船釣りのマナーとルールは守るようにしましょう。
まとめ
船釣り初心者は、まず釣りたい魚と日程を決め、予約時に「初心者」と伝えましょう。
船の設備やレンタルの有無を確認し、支払い・キャンセル規定もチェック。出船前は天気や服装、酔い止めなど準備を整え、釣行後はタックルの洗浄とゴミの持ち帰りを忘れずに。
これらの流れを押さえ、船釣りを楽しんでください。
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