2馬力ボートはどこからでも出航できるのではなく、ある程度決められた場所からしか出航させることが出来ません。
しかし、出航できる場所にはいくつかルールがあり、場所によっては定められていることが違うこともあるので、事前に知っておかないと思わぬトラブルにつながることもあります。
そこで今回は、2馬力ボートが出航できる場所や、最低限知っておくべきルールなどについて詳しく解説していきたいと思います。
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2馬力ボートで出航する前に知っておくべきルール
免許不要の2馬力ボートには法律こそ適応されませんが、その他の船舶は海上のルールに従って運航しています。
その為、海上を航行するのであればトラブル回避のために最低でも「海上衝突予防法」から2つ、「港則法」から1つを理解しておく必要があります。
事前にしっかりと理解して、他船との接触事故を避けるように努めましょう。
行会い船は右側通航
2隻の船が真向かいに行き会う場合で衝突のおそれがあるときは、互いに相手船の左げん側(船の左側)を通過すると定められています。
分かりやすく解説しますと、お互いの船舶が正面衝突を避けるために舵を右に切りましょうというルールです。
横切り船は相手を右に見る側が避ける
2隻が互いに進路を横切り、衝突のおそれがあるときは、相手船を右げん側(船の右側)に見る方の船が相手船を避けるように定められています。
これも行き合い船の航法と同じように衝突を避けるために、定められているのでしっかりと理解しておく必要があります。
港の入り口では右小回りと左大回りの原則あり
防波堤などの突端や停泊船を右げんに見て航行するときはできるだけこれに近寄り、左げんに見て航行するときはできるだけ遠ざかって航行するとなっています。
これは防波堤や埠頭などの構造物の突端は、船同士の見通しが利かないため、出会い頭の衝突や接触が起きやすいことから定められています。
2馬力ボートが出航できる場所と注意点について
2馬力ボートが出船できる場所は港内のスロープや、砂浜からなどが主な出航場所になりますが、どちらもトラブルにつながる場合があるので注意して出航するようにしましょう。
港内のスロープ
2馬力ボートが出航できる主な場所としては、港内のスロープが第一出航場所になります。
2馬力ボートはカートップ、軽トレーラー、分割式で車内と輸送方法はいくつかありますが、どの方法でも海辺までボートを輸送し、その場で組み立てたりタックルを積み込んで出船することになるでしょう。
その為、港内のスロープ利用が一番効率よく出航できます。
しかし、場所によって港内のスロープは組合員以外の利用が出来ないこともあり、無断使用は大きなトラブルにつながることもあるので注意が必要になります。
トラブル回避のためにまずは、管理者にスロープ利用に関する確認(港管理事務所やその場所の水産課など)を取り出航しても問題がないかを事前に確認しておくと安心です。
また、港によってはスロープ利用料を払うことで誰でも使用可能な場合もあるので、こちらも同じように管理者に確認を取って料金を支払って利用しましょう。
ちなみにスロープ利用の料金ですが、筆者自身が支払った中で一番高額だったのが出航時の利用で2000円、帰港時の利用で2000円の合わせて4000円という場所がありました。
▼漁港内スロープ利用許可取得に関する記事はこちら▼
砂浜
2馬力ボートの出航場所の第二候補として砂浜が挙げられます。
砂浜は比較的どこにでもあり管理者もいないので、特に許可を取る必要もなく気軽に出航できるでしょう。
しかし、管理者はいなくても注意が必要で、時にはトラブルにつながることもあります。
砂浜が続く沿岸では波が穏やかで、養殖いけすや定置網などが設置されていることが多く、漁業関係者も船舶も多く往来します。
そのような場所で釣りをしていると、生け簀や定置網などロープにラインや針が絡まる可能性があり嫌がられ、怒鳴られることもあり得ます。
このようなトラブルを避けるためにも、これらの設備の近くでは釣りをしない方が賢明です。
また、砂浜からの出船はデメリットととして水辺までの移動が非常に大変で、荷物が多くなればなるほど出航まで多くの時間が必要になるでしょう。
- 許可を取る必要はない
- 水辺までの移動は大変
出航場所の効率的な見つけ方と注意点
ここでは、いつも筆者自身が出航場所を見つけるときに使用しているツールや、見つけ方、注意点について解説していきますので、参考にしてみてください。
グーグルマップの活用
2馬力ボートの出航場所の見つけ方として最も有効な方法が「グーグルマップ」の活用です。
グーグルマップはスマホさえ所持していれば誰でも簡単に検索出来て、出航場所である港内のスロープや砂浜の場所を画像で確認することが出来ます。
もちろん詳細なことに関しては、現場に行かなけらばわからないこともあるでしょう。
しかし、行ったことのない港や沿岸部の地形や状況を映像で簡単に確認できるのですから、2馬力ボートの出航場所を見つける手段としては、非常に優秀なツールといえます。
効率的な出航場所の見つけ方
2馬力ボートの出航場所を効率よく見つけていくためには、グーグルマップの活用が欠かせません。
もともとは地図が基本的な役割であったグーグルマップにも、航空写真やストリートビューが使用できるようになり、現場の状況が簡単にわかるようになりました。
これらの機能を使用して出航場所を選定していくのですが、手順としては自分が行くことのできる範囲を考え、その中で港を探していきます。
港を見つけたら航空写真でスロープがあるかどうかを確認します。
スロープがあることが確認できた港があれば、ストリートビューに切り替えスロープ使用に関する看板や注意書きがあるかを確認します。
看板や注意書きがなくてもスロープにチェーンやロープが張られている場合、無断使用ができない可能性があるので、管理者と連絡を取りスロープが利用可能かどうか確認を取りましょう。
経験上、スロープ利用に関する看板や注意書きがなく、ロープやチェーンも張っていないようなスロープは自由に利用させてもらえることが多いのですが、このような場合でも漁師さんや漁業関係者を見つけた時には一言「スロープを使用しても大丈夫でしょうか?」と声をかけておくと安心です。
- グーグルマップとストリートビューの活用
- スロープ利用の許可を取る
出航場所についての注意点と出航時の注意点
出航場所をグーグルマップで見つけるとき、出航時の注意点として
1 航空写真が最新のものではない可能性がある!
2 大きな船が寄港する港は避ける!
3 車両の管理はしっかりと!
上記3つを考えながら出航場所について考えておくといいでしょう。
まず航空写真は何時でも最新の情報が載っているのではなく、航空写真ではあるはずなのに現地にはそれらしきものがない、ということはあり得ることなので可能性として考えておきましょう。
そして、貨物船やタンカー、フェリーや大型旅客船などの大型船舶の入港、出航がある港からの出航は非常に危険なので出航場所の候補から外しておきましょう。
また、出航した後に残された車両は帰港するまで動かすことが出来ないので、邪魔にならない場所に移動させてから出航しましょう。
特に「大きな船が寄港する港は避ける」と「車両の管理」は自身の命や漁業関係者とのトラブルにつながることもあるので特に注意が必要になります。
漁港における漁船以外の船舶の利用について
港内に設置されているスロープの利用に関してですが、実は漁業関係者以外の利用を禁止する法律は存在していません。
それどころか国の方針として、漁業関係者以外の船舶の漁港利用について対応するように求めています。
各都道府県知事あてに通知された内容を一部抜粋してご紹介しますと
「近年都市近郊を中心にプレジャーボート等による漁港利用のニーズが増大しており、漁港本来の目的を阻害しないと判断される漁港においては、公共施設としてこれらのニーズに応えていく必要がある。
従って、漁港管理者は、これら漁船以外の船舶の漁港利用のニーズと漁港本来の目的に鑑み、プレジャーボート等による漁港利用を受入れていくに当たっては、これを漁業と海洋性レクリエーションとの調和ある発展及び活力ある漁村社会の創造に資するよう運用していくことが必要である」
そして対象漁港は「漁港管理者が、プレジャーボート等による漁港利用のニーズがあり、かつ、漁業情勢の変化、漁閑期の都合等により、漁港における漁業活動に支障のない範囲内でプレジャーボート等の受入れが可能であると認める漁港とする」
と表記されています。
つまり国の方針としては、漁港内施設の利用について関係者以外でも利用可能にしていこうというスタンスです。
しかし、対象漁港として「漁港における漁業活動に支障のない範囲内」とありますので、漁港施設の使用マナーが悪かったり、漁師さんの邪魔になるような釣りの仕方をしてしまうと、漁業活動に支障が出るという理由で、利用が制限されてしまうでしょう。
漁港施設はあくまでも関係者優先で、利用させてもらう側は「遊び」であり、関係者にとっては「仕事です」。
このことを忘れず、マナーを守って漁港施設を利用していきましょう。
まとめ
2馬力ボートの出航には海上衝突予防法や港則法の理解が必要となり、出航場所は港内のスロープや砂浜が主になりますが、使用は管理者の許可が必要となることがあります。
また、出航場所は航空写真で場所を確認し、関係者や大型船の影響を考慮しながら漁港利用は関係者を優先し、利用者はマナーを守って安全に2馬力ボートでの釣りを楽しんでください。
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