最近では、カヤックフィッシング、2馬力ボートフィッシングともに人気が高まり、海で見かけることも多く、カヤックが欲しい、2馬力ボートが欲しいと考えている方も非常に多くなっています。
しかし、海で使用するのであれば、カヤックと2馬力ボートどちらが向いているのか分からず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、カヤックと2馬力ボートのどちらが海釣りに向いているのかについて、比較しながら詳しく解説していきます。
カヤックと2馬力ボートはどこまでいける?
海釣りで使用する際に考えておかなければならないことの一つが、「どこまで行けるのか」ということですが、カヤック、2馬力ボートともに航行範囲を制限する法律はありません。
そのため、航行範囲を気にすることなくどこまでも行くことが可能です。
しかし、カヤック、2馬力ボートともに、一般的な船舶と比べると波や風に対する抵抗力が弱く、何も考えずに航行していると非常に危険な状況に陥ることも考えられます。
実際に、2馬力ボートを所有している私自身も、どこまでも行けるからと言って、岸が見えなくなるような沖に出ることはありません。
海上保安庁が推奨している安全航行範囲は岸から1㎞、出航場所から2㎞となっているので、この範囲内での航行が安全の目安となることを覚えておきましょう。
- どちらも航行範囲を制限する法律はなし
- 岸から1㎞、出航場所から2㎞が安全航行範囲
カヤックと2馬力ボートがどこまで行くことができるのかもっと詳しく知りたい方は下記記事がおすすめです。
【重要】2馬力ボートはどこまで行ける?出船できる波高や風速とは?
カヤックと2馬力ボートの比較
カヤック | 2馬力ゴムボート | FRP製2馬力ボート | |
動力 | 人力 | エンジン | エンジン |
購入費用 | 10万円~ | 30万円~ | 40万円~ |
安全性/安定性 | 低い | 中程度 | 中程度 |
運搬方法 | カートップ | カートップ/軽トレーラー/車載 | カートップ/軽トレーラー/車載 |
出船までの時間 | 20分~ | 30分~ | 10分~ |
総重量 | 15㎏~ | 40㎏~ | 50㎏~ |
ここでは、カヤックと2馬力ボートの違いについて、上記比較表をもとに詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、2馬力ボートにはFRP製とゴムボートがあるので、そちらも合わせて解説していきます。
動力の違い
カヤックと2馬力ボートで最も異なるのは「動力」です。
- カヤック=人力
- 2馬力ボート=エンジン
動力の違いは航行速度に直結し、カヤックでは4km~5km程度、2馬力ボートでは6km~10km程度が平均速度となります。
ただし、海や川、湖では、どこであっても流れや風があります。
そのため、航行速度の遅いカヤックは、潮流が速い場所や強風が吹く環境では、思うように進めないこともあるでしょう。
購入費用
カヤックと2馬力ボートの購入費用は以下の通りです。
- カヤック=10万円〜
- 2馬力ゴムボート=30万円〜
- FRP製ボート=40万円〜
これらの金額に加えて、魚群探知機やクーラーボックスなどの必需品の購入費用も発生します。
購入費用だけに注目した場合、カヤックが最も安価で導入のハードルも低く、FRP製ボートと比べると4倍以上の差が生じることもあります。
安全性と安定性
カヤックと2馬力ボートの安全性と安定性は、一般的な船舶と比べて「非常に低い」といえます。
特にカヤックは水面からの距離が近く、船体幅も狭いため、転覆や落水のリスクが高く、安全性や安定性が十分に確保されているとは言い難いのが現実です。
もちろん、サイドフロートなどの予備浮力を備えることで安全性や安定性を高めることは可能ですが、通常の状態の船体では転覆や横転を想定した装備が必要です。
また、ボートの安定性は船体サイズが大きくなるほど向上しますが、2馬力ボートの最大サイズは11フィート(3.33メートル)であり、こちらもカヤック同様、安全性や安定性に不安が残ります。
運搬方法
カヤックや2馬力ボートの運搬方法には、以下の3つの方法があります。
- カートップ
- 軽トレーラー
- 車載
カヤックの運搬は基本的にカートップで行われますが、2馬力ボートの場合は条件次第で、上記の3つすべての方法が選択肢となります。
まず、ゴムボートは空気を入れた状態であればカートップや軽トレーラーで運搬でき、折りたたんだ状態なら車載での運搬も可能です。
FRP製の2馬力ボートも同様に、カートップや軽トレーラーで運搬でき、分割式ボートであれば車載での運搬も可能です。
- カヤック=カートップ
- ゴムボート=カートップ/軽トレーラー/車載
- FRP製ボート=カートップ/軽トレーラー/車載
カヤックや2馬力ボートの運搬方法の違いによる、費用の違いについて詳しく知りたい方は、下記記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでみてください。
2馬力ボートの運び方は?運び方の違いによるメリットとデメリットとは?
出船までの時間
出船までにかかる時間をカヤックと2馬力ボートで比較してみると、
1.軽トレーラー輸送のFRP製2馬力ボート
2.カートップ輸送のカヤック
3.カートップ輸送のFRP製2馬力ボート
4.車載輸送の2馬力ゴムボート
上記の順で出船にかかる時間は長くなり、軽トレーラーで輸送するFRP製2馬力ボートであれば、最短で10分程度で出船することも可能です。
なぜ、軽トレーラーで輸送するFRP製2馬力ボートが最も早く出船できるのかというと、組み立てる必要がなく、すべての荷物を船内に乗せて出船できる状態で輸送できるからです。
カヤックはカートップでの輸送となり、カートップから降ろす→荷物を載せる→出船となるので、軽トレーラーで輸送するFRP製2馬力ボートと比べ、若干出船までの時間がかかってしまいます。
機動力のないカヤックや2馬力ボートでは、少しでも長く釣りをすることが釣果にもつながるので、出船までの時間が短いことは有利に働くでしょう。
重量
カヤックや2馬力ボートの重量は、持ち運びのしやすさや安定性に大きくかかわります。
重量は船体の大きさや素材によって変わり、おおよその重量は以下の通りです。
- カヤック=15kg~
- 2馬力ボート=30kg~
カートップで輸送するのであれば、船体が軽い方が楽に屋根まで上げることができるので、FRP製ボートよりもカヤックの方が断然楽です。
しかし、ボートにおいて重量は安定性を保つために必要な要素であり、あまりにも軽すぎるボートでは安定性能に不安があることは覚えておきましょう。
メリットやデメリットの比較
船種/メリット/デメリット | カヤック | 2馬力ボート |
導入のハードル | 低い | やや高い |
燃料費 | なし | 1時間=約1リットル |
出船場所 | どこからでも可 | 港内のスロープなど |
乗船人数 | 1人 | 最大2人(定員数は4人~5人) |
航行速度 | 4㎞~5㎞程度 | 最大10㎞ |
維持費 | ほぼなし | 場合によっては年間2万円前後 |
ここでは、上記してきたカヤックと2馬力ボートの違いをもとに、それぞれのメリットやデメリットについて解説していきます。
カヤックのメリットとデメリット
カヤックの最大のメリットは「導入のハードルが低い」ことです。
また、人力のため燃料費や維持費もほぼかからず、どこからでも出船できる点も魅力です。
デメリットは、航行速度が遅く人力のため疲れてしまうことや、一人でしか乗れないこと、波や潮の流れに対する抵抗力が弱く、安全性や安定性能が低いことなどが挙げられます。
2馬力ボートのメリットとデメリット
2馬力ボートの最大のメリットは「安定性と安全性が高い」ことです。
また、航行速度も速く、波や潮の流れ、風にも負けない機動力が魅力です。
しかし、導入のハードルは高く、船体とエンジンを合わせて30万円以上の費用がかかり、輸送方法によっても別途費用がかかってしまいます。
参考までに、私自身は現在FRP製2馬力ボートを所有しており、軽トレーラーにて釣り場まで輸送していますが、導入にかかった総額は50万円を超えています。
このように、安定性と安全性に優れる2馬力ボートですが、導入のハードルが高いことは大きなデメリットだといえるでしょう。
カヤックと2馬力ボートのどちらが海釣りに向いている?
カヤックと2馬力ボートのどちらが海釣りに向いているのかの結論としては、「2馬力ボート」の方が海釣りには向いています。
なぜなら、海釣りで最も重要なことは「安定性と安全性」だからです。
- 安定性
- 安全性
安定性は船体の形状が大きくかかわり、船体の幅が広いほど、重心が低い位置にある方が安定性は高まります。
そのため、カヤックよりも2馬力ボートの方が安定性と安全性に優れ、安心して海釣りを楽しむことができるでしょう。
カヤックは横揺れに弱く、少しの波でも転覆や落水の危険があり、カヤックを海釣りで使用するのであれば、湾内などの比較的波のない水域での使用が安全です。
実際に、私が釣りをする場所ではカヤックを見かけることはなく、2馬力ゴムボートやFRP製2馬力ボートのみです。
もちろん、シーカヤックなど海での使用を目的として製造されているボートは、サイドフロートなどの予備浮力を装備し、安定性と安全性を高めていますが、カヤックにはもう一つ怖いと感じるポイントがあります。
それは、海面までの距離が限りなく近いということです。
海面までの距離が近いことで考えられる危険は、転覆や落水だけでなく、海中最強の「サメ」の存在も脅威となります。
少し極端な例ではありますが、このようにカヤックにサメが体当たりしてきたり、エサと勘違いしてアタックしてくることは少なからずあるので、「2馬力ボート」の方が海釣りには向いているといえるでしょう。
2馬力ボートの購入にどれほどの費用や維持費がかかるのかについて詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでみてください。
2馬力ボートの購入費用や年間維持費はどれぐらい?FRP製のボートとゴムボートでどれほど違うの?
まとめ
カヤックと2馬力ボートにはそれぞれメリットやデメリットがありますが、海釣りで使用することを考えた時に向いているのは「2馬力ボート」です。
特徴やメリット、デメリットをしっかりと理解し、ご自身に合った選び方でフィッシングライフを充実させ、安全を第一に楽しんでください。
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