タチウオジギングは、今もっとも人気の高いオフショアゲームのひとつです。
しかし、タチウオは独特のバイトパターンを持つため、一般的なジギング用リールでは対応しきれない場面もあり、釣果を安定して伸ばすためには、専用性の高いリール選びが欠かせません。
そこで本記事では、遊漁船でタチウオジギングを実践している経験をもとに、「最適なリールの選び方」と「おすすめリール」を厳選して紹介します。
さらに、リール別に最適なロッドの組み合わせ例も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
タチウオジギングではベイトリールが基本

タチウオジギングは基本的にベイトリール(手巻きベイト、場合によっては電動ベイト)が主流です。
タチウオジギングにおいて、ベイトリールがなぜ第一選択肢として選ばれているのかというと、タチウオ特有の「フォールバイト」の多さと「バーチカルなジギング」に対応できるからです。
- フォールバイトに対応しやすい
- バーチカルジギングに適している
まず、タチウオは中層から底層にかけて、獲物を下から見上げるように狙っています。そのため光を反射してヒラヒラ落ちてくるジグを小魚が弱って沈んでいく動きと誤認し、フォール中のジグに反射的に襲いかかることが多く、如何にフォールバイトをとらえるかがカギです。
また、バーチカルジギングで狙うタチウオは、ジグを縦方向に操作するためフォール姿勢の管理が重要ですが、ベイトリールはスプールが回転して糸が放出される構造のため、タチウオのフォール中バイトを「違和感」として指先で感じ取れます。
これにより、タチウオの繊細なあたりも逃すことなくアタリとして認識できるため、釣果につながりやすくなることは当然の結果です。
そのため、タチウオジギングで使用するリールは、「ベイトリール」を中心に選ぶといいでしょう。
タチウオジギング用ベイトリールの5つ選び方
選び方のポイント | 解説 |
---|---|
1. 手巻き or 電動リール | 手巻きは軽量でアタリを取りやすく、電動は深場や長時間釣行で効率的。 |
2. 糸巻量(PE1号が200m) | 水深80〜100m前後を狙うため、PE1号が200m以上巻ける容量が必要。 |
3. カウンター機能 | ヒットしたタナ(深さ)を正確に再現でき、再現性の高い釣りが可能。 |
4. ギア比の選び方 | ハイギアは回収速度重視、ローギアは巻き上げトルク重視。 |
5. メーカー/ブランドで選ぶ | 大手メーカーは品質・耐久性・アフターサポートが優秀。 |
ここでは、タチウオジギング用ベイトリールの選び方について解説していきます。
手巻きリール or 電動リール
タチウオジギングでは、基本的に手巻きベイトリールが主流ですが、電動リールも人気です。
手巻きリールは構造がシンプルで軽量、操作感が直接伝わるため、フォール中の微妙なアタリを指先で感じやすく、船上での繊細な誘いに向いています。故障時の修理やメンテナンスも比較的容易で、初心者にも扱いやすい点が魅力です。
電動リールは深場や長時間の釣行で威力を発揮します。100メートル以上の深場でフォールを繰り返す場合も、モーターで巻き上げられるため効率的です。さらに、カウンターやフォール速度調整機能付きモデルなら、フォール精度を高めアタリの再現性も向上します。
状況に応じて「手巻き」と「電動」を使い分けることが重要です。
PE1号が200メートル巻けるリールを選ぶ
タチウオジギングでは、PE1号のラインを200メートル以上巻けるベイトリールを選ぶことが重要です。
理由は、タチウオが好む水深が80〜100メートルに多く、メインの水深となることが多いためで、200メートルの糸巻量であればこれ以上の深場や、ラインの消耗にも対応できるからです。
具体的な番手ではダイワ製ベイトリールなら100〜300番、シマノ製ベイトリールなら150〜300番程度が一つの目安で、状況に応じて適切な量の下巻きを行いましょう。
タチウオジギングでは、適切な糸巻量のリール選びが使いやすさに直結するため、しっかりと選びましょう。
カウンター付きベイトリールが有利
タチウオジギングでは、カウンター付きベイトリールが圧倒的に有利です。
理由は、タチウオのアタリが出る「タナ」を正確に把握できるためで、カウンター表示により、水深やジグの位置をリアルタイムで確認でき、一度ヒットした深さを再現しやすくなります。
また、群れの位置を把握して効率的に狙えるため、無駄なフォールや巻き上げを減らせます。特に夜間や濁り潮では視覚的な目安が少ないため、数値で深さを確認できるメリットは大きいです。
釣果アップを狙うなら、デジタルカウンター付きのベイトリールを選ぶのが賢明です。
ギア比の選び方
タチウオジギングでは、ギア比の選び方が操作性と釣果に直結します。
一般的に汎用性のあるハイギアが主流で、素早い巻き取りが可能なため、フォール後の素早い回収や手返しの多い釣りに最適です。
一方、巻き上げトルクを重視するならパワーギアが有利で、深場や潮流の速いポイントで重めのジグを扱う際に、安定した巻き上げができます。
そのため、ほかの釣りでも使用できる汎用性が魅力のハイギアを基本に、水深や重ジグ中心の釣りではパワーギアと、釣り方やポイントに応じて選ぶのがおすすめです。
メーカー/ブランドで選ぶ
タチウオジギングでリール選びに迷ったら、「メーカー/ブランド」で選ぶことも重要です。
大手メーカーが手掛けるリールは、安定した性能と高い耐久性に加え、アフターサービスや部品供給も充実しています。特にシマノやダイワといった国内メーカーは、ジギング専用設計や防塩仕様など、過酷な海上環境に耐える技術を投入しています。
さらに、愛用者が多いため、使用感やトラブル対処法などの情報を得やすいのも利点です。リール選びで失敗したくない方は、信頼性の高い大手メーカーのリールを選ぶのが安心です。
タチウオジギングにおすすめ厳選ベイトリール11選!
ここでは、タチウオジギングにおすすめのリールを厳選して11機種ご紹介していきます。
また、おすすめロッドの組み合わせ例についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【シマノ】バルケッタ BB 300HG
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
7 | 5.5 | 250 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
2-300/3-200 | 73 | 60 |
フォールバイトを逃さない入門モデル!
バルケッタ BB 300HGは、小型ながらカウンター付きで夜釣りから日中のライトジギングまで対応するベーシックモデルです。
LEDバックライト付きの液晶カウンターを搭載し、視認性抜群でレンジ管理がしやすく、タチウオジギングでのフォールバイト狙いに有利で、初心者から中級者まで、幅広くおすすめできる一台です。
【シマノ】バルケッタプレミアム 150DHXG
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
8.1 | 5 | 220 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
0.8-400/1-330/1.5-200 | 81 | 60 |
繊細な誘いに最適!
【シマノ バルケッタプレミアム 150DHXG】は、マイクロモジュールギア+HAGANEボディ+X-SHIP構造により、滑らかな巻きごこちと高い剛性を実現しています。
加えて、NEWフォールレバーによりフォールスピードを自在にコントロール可能で、アタリの出やすいタチウオのフォール釣法において強力な武器となります。手返しを重視する釣りに適した一台です。
【シマノ】グラップラー CT150XG
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
8.1 | 5 | 240 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
0.8-400/1-330/1.5-200 | 81 | 60 |
軽量・高剛性!
【シマノ グラップラーCT150XG】は、HAGANEボディ+X-SHIPによる剛性とスムーズな巻きあげを備え、ライトジギングからタチウオの浅〜中深場釣りに対応する実力派モデルです。
フォールレバーやレベルワインド連動構造により、ジグ着底やフォール中の変化をしっかり捉えやすく、カウンター搭載でタナの再現性も確保。コストパフォーマンスも高く、入門〜中級者にもおすすめです。
【シマノ】グラップラー プレミアム 150XG
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
8.1 | 5 | 240 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
0.8-400/1-330/1.5-200 | 81 | 60 |
フォール精度を極める本格派!
【シマノ グラップラープレミアム150XG】は、ギア比8.1:1の速巻き仕様と、Newフォールレバー+巻上距離アラームという先進機能を搭載。
タチウオの速い誘いやフォールからのバイトを積極的に狙う性能に優れており、手返し・精度・扱いやすさを高次元で併せ持つ一台です。
【シマノ】グラップラー 300HG
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
6.2 | 7 | 325 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
2-380/3-250/4-190 | 84 | 70 |
深場の大型タチウオも逃さない!
【シマノ グラップラー300HG】は、PE2号/380mという大容量ラインキャパが特長です。
ロープロタイプながら巻上げトルクが高く、タチウオの強い引きや根係り後の回収にも安心感があります。ギア比6.2:1でバランスの良い巻上げ速度を実現し、浅場〜中深場を問わず幅広く対応。
コストパフォーマンスに優れた一台として、タチウオジギングの入門からステップアップまで活躍します。
【シマノ】オシアコンクエストCT 300HG
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
6.2 | 7.5 | 395 |
糸巻量(号‐PE) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
1.5-500/2-380/3-250 | 84 | 75 |
高剛性・高感度で深場ジギングを極める最上位モデル!
【シマノ オシアコンクエストCT300HG】は、金属ボディ+マイクロモジュールギア+フォールレバー+デジタルカウンターという最先端機能を備えた本格派リールです。
PE1.5号/500m、2号/380mという大型スプール設計で中深〜深場でも安心出来るラインキャパ。ギア比6.2:1、1回転84cmの巻き上げ長で手返しとパワーを両立。本格的に釣果を追求するアングラーにおすすめの一台です。
【ダイワ】ライトゲーム IC 200
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
6.3 | 6 | 240 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
2-320/3-200 | 70 | 70 |
軽量・操作性抜群、初心者も安心の定番リール!
【ダイワ ライトゲーム IC 200】は、ICカウンター付きで、タチウオジギングにも幅広く対応できる汎用モデルです。
滑らかな巻きと高い剛性・耐久性を兼ねており、フォールからのアタリが多いタチウオ釣りでは、カウンター表示でタナを数値で管理できるのも大きなメリット。
手返し重視・ライトタチウオ狙い・初心者の投入モデルにもおすすめの一台。
【ダイワ】ライトゲーム RX IC 150H
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
7.3 | 5 | 245 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
1-400/1.5-250/2-200 | 83 | 70 |
ライトジギング対応モデルのギア比7.3
【ダイワ ライトゲーム RX IC 150H】は、ギア比7.3のハイギア仕様で、フォールから巻き上げまでテンポよく操作できるタチウオジギング向きモデルです。
ICカウンター搭載で10 cm単位のタナ管理、デプスアラーム、落下速度表示など機能も充実しており、レンジの再現性を格段に高めることができることがおすすめの理由。
【ダイワ】ティエラ LJ IC 200H
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
7.3 | 10 | 370 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
2-300/3-200 | 91 | 75~85 |
ドラグ力10キログラムの万能パフォーマンス!
ダイワ ティエラ LJ IC 200Hは、最大ドラグ力10キログラムを誇る本格ライトジギング仕様のベイトリールで、タチウオジギングにもおすすめ。
ドラグが滑らかに作動し、バラシを軽減。1日釣り続けても疲れにくいロープロ設計とボディサイズも魅力で、大型タチウオや激流での釣行を視野に入れているアングラーに最適な一台。
【ダイワ】ソルティガ IC 100H-DH
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
7.1 | 7 | 330 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
1-400/1.2-300/1.5-250 | 80 | 140 |
高剛性・高感度で精密フォール操作を可能にする本格機!
【ダイワ ソルティガ IC 100H-DH】は、ハイギア7.1、巻取り長さ約80 cm+140 mmロングハンドルを搭載し、フォールと巻き上げの切り替えが激しいタチウオジギングに最適。
ICカウンター搭載で10 cm単位のレンジ把握やデプスアラームにより、タチウオのバイトレンジを見逃しません。
ライト〜中深場を狙うアングラーにとって、操作性・精度・耐久性の三拍子が揃った一台です。
【ダイワ】ソルティガ IC 300-C
ギア比 | 最大ドラグ力(㎏) | 自重 |
7.3 | 10 | 425 |
PE糸巻量(号‐m) | 最大巻上長(cm) | ハンドル長さ(㎜) |
1.2-600/1.5-500/2-400 | 100 | 85-95 |
トルク型ボディで深場・大型タチウオを確実に仕留める!
【ダイワ ソルティガ IC 300-C】は、PE1.2号~600 m対応の大容量スプールに加え、スマートフォン連携機能を搭載し、釣果データや深度情報を可視化できる次世代ジギングリールです。
巻上げトルク・耐久性能を強化し、電子ドラグサウンドやシンクロレベルワインドなど細部の技術も妥協なし。
大型タチウオや潮流の速いポイントでも安心して対応できる、玄人からハイエンド志向アングラーまで満足の一台。
タチウオジギングで多いトラブルと対処方法

タチウオジギングでは「ラインブレイク」と「フックアウト」、さらに「手のケガ」が特に多いトラブルです。
まずラインブレイクは、タチウオの鋭い歯がPEラインやリーダーを切ることが主な原因。対策としては、フロロカーボンのリーダーを通常より長め(2〜3m)に取り、アシストフックもタチウオ対応フックにすると効果的です。
また、ドラグを強く締めすぎず、バイト時に衝撃を吸収できる設定にしておくのもポイント。フックアウトは、口切れやテンションの緩みによって起こりやすいので、合わせを強く入れすぎず、一定のテンションを保って巻き上げましょう。
さらに、釣れたタチウオのフックを外す際は、鋭い歯で指を切る事故が非常に多いです。素手では絶対に触らず、「タチウオばさみ」やロングノーズプライヤーを使い、安全に処理することが大切です。
これらを徹底することで、トラブルを大幅に減らし快適なタチウオジギングが楽しめるでしょう。
タチウオジギングではロッドとの相性も重要!

タチウオジギング用ロッドは、フォール中のバイトにも対応できるように穂先が柔軟で高感度に設計されています。
これにより、タチウオ特有の繊細なアタリや違和感を確実にキャッチでき、釣果アップにつながります。
各メーカーが展開する「タチウオ専用ロッド」は特におすすめで、柔軟で高感度な穂先に加えてバット部の強いパワー設計により大型タチウオとのファイトでも安定した操作性を発揮します。
さらに、ジグの重さや釣法に合わせたアクション設計が施されており、ワンピッチジャークやスローフォールなど多彩な誘い方に対応可能です。
また、ライトジギングロッドでも穂先が柔軟で感度の高いロッドなら流用できるモデルもあるので、専用ロッドを基本にしつつ、兼用を考える場合はライトジギングロッドも選択肢に入れると良いでしょう。
タチウオジギングにおすすめのロッドについては、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
【2025年最新】オフショアタチウオジギングにおすすめのロッド11選!リールの組み合わせ例も紹介!
ジグは派手なカラーで釣果が期待!

タチウオジギングでは、派手なカラーのジグが圧倒的に効果を発揮します。
タチウオは夜行性のフィッシュイーターで、視覚に頼って獲物を捕らえるため、暗い海中でも目立つ「発光系」や「反射系カラー」が有効です。代表的な実績カラーは、パープルグロー・ピンクグロー・ゼブラグロー・シルバー・パープルホロなどです。
これらのカラーは光を強く反射・拡散し、深場や濁り潮、曇天といった低照度の状況でも高いアピール力を発揮します。
さらに、タチウオは光の点滅やチラつきに反応して噛みつくため、カラーローテーションも効果的。朝夕はホロ系、夜間や曇天時はグロー系と使い分けることでバイトチャンスが広がります。
状況に応じてカラーを切り替えられるよう、アピール力の高いカラーのメタルジグを複数そろえることが、安定した釣果への近道です。
タチウオジギングに有効なメタルジグについては、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
【2025年最新】タチウオジギングに効くおすすめメタルジグ13選!派手なカラーが釣果を伸ばす!
まとめ
タチウオはフォール中のバイトが多く、繊細なアタリを逃さないために、カウンター付きベイトリールが最適な選択となります。
汎用性の高いハイギアモデルを基本に、PE1号が200m巻けるラインキャパシティや、信頼できるメーカーを選ぶことも重要です。
さらに、ラインブレイクや手のケガなどのトラブル対策もしっかり行い、適切なリール選んでタチウオジギングを楽しんでください。
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