ヒラメは船釣りのターゲットの中でも、非常に人気の高い魚種でこれからヒラメを狙ってみたい、釣ってみたいといった方は多くなっています。
しかし、初めての船ヒラメではどう狙えばいいのか、タックルの基準はどのように選べばいいのか分からないことも多いですよね。
そこでこの記事では、釣り歴30年以上、マイボート歴15年以上の経験で得た船ヒラメ釣りの経験をもとに、基本的な情報や必要になるタックルの基準について詳しく解説します。
船ヒラメの2つの釣り方!
船からヒラメを釣るための方法としては「泳がせ釣り」と「落とし込み釣り」の2つの釣法が最も一般的な釣り方になります。
どちらの釣法も「生きエサ」を使用してヒラメを狙いますが、生きエサをいつどこで針に掛けるのかで、分けられています。
あらかじめ用意していた生きエサであるアジやイワシを船上で針に掛け、海底に投入しアタリを待つ釣法。
泳がせ釣りはヒラメを船から狙う釣法の中で、最も多く使用されている釣り方で本針と孫針の2本を生きエサに掛けるので、フッキング率は高くなり初めての方でも難易度は低めとなります。
船で移動しながらベイトの群れを見つけサビキを投入し、ハリに生きエサを掛けたら海底に落とし込み、アタリを待つ釣法。
落とし込み釣りはサビキに生きエサとなるアジやイワシなどをかけ、そのまま海底まで落とし込みアタリを待つため、まず生きエサをサビキに掛ける必要があります。
また、海中で生きエサを確保するため、どこに針掛しているか分からず、早合わせをしてしまうと針掛しないことがあり、初めてでは難しく感じることもあります。
そのため、船から初めてヒラメを釣るのであれば、泳がせ釣りのほうが釣果はでやすく、狙いやすいでしょう。
船から狙うヒラメ釣りの基本
ここでは、ヒラメを船から狙うための基本情報について、解説していきます。
ヒラメ釣りのシーズン
ヒラメの旬は寒い季節で、身が厚くなり「寒ヒラメ」と呼ばれます。厳寒期を乗り切るために脂肪を蓄えるこの時期のヒラメは、非常に美味しいとされています。
ヒラメの旬には地域差があり、本州では秋から冬にかけて、北海道では秋から春、初夏にかけてが旬とされています。この時期は、ヒラメが活発になる海水温である18℃前後とも重なります。
実際に、私がマイボートでヒラメを狙う時は、真夏の暑い時期や厳寒期を避けることが多く、その方が釣果が出やすい傾向があります。
そのため、初めての船釣りでヒラメを狙う場合は、厳寒期を除く秋から冬、または春から初夏にかけての季節を選ぶことで、釣果につながりやすいでしょう。
ヒラメ釣りの水深
ヒラメを船から狙える水深は「20~50メートル前後」が最も一般的に狙われる範囲ですが、季節によっては水深50メートル以上で狙う遊漁船もあります。
また、私自身マイボートを所有し、ヒラメを狙いますが、浅い場所では水深3メートルでも釣れることがあります。
ヒラメの生息域は海底であり、捕食行動を起こす範囲は「50~100センチ」が最も多いため、底取りと捕食行動を起こす範囲に生きエサをいかにとどめておけるかが、釣果を出すためには重要です。
ヒラメ釣りに必要な仕掛け
船ヒラメ釣りに必要な仕掛けは「胴付き仕掛け」です。
胴付き仕掛けとは、仕掛けの一番下にオモリが付いている釣り仕掛けのことで、縦の釣りに適した特徴があります。
オモリが着底することで底を把握しやすく、生きエサの位置もオモリからの距離で確認しやすくなっています。また、自作も簡単で、自分の好みに合わせた長さに調整できます。
市販の胴付き仕掛けでも長さを調整することが可能で、船ヒラメ釣りに適した仕掛けです。
魚種別の胴付き仕掛けの選び方や、おすすめの胴付き仕掛けについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
【2024年最新】船からの泳がせ釣りにおすすめ仕掛け7選!青物やヒラメなど魚種別で紹介!
ヒラメ釣りに必要なタックルと基準
ここでは、船からのヒラメ釣りに必要なタックル選びの基準について解説していきます。
ライトヒラメとノーマルヒラメ
船ヒラメ釣りでは、「ライトヒラメ」と「ノーマルヒラメ」の2種類のタックルを使用します。
ノーマルヒラメでは、置き竿を中心にヒラメを狙うため、2.7メートル程度の長さの竿を使用します。調子は6:4のものが多く、小型から中型の電動リールが主に使われます。
- 主に置き竿で狙う
- 小型~中型の電動リールまたは手巻きリール
一方、ライトヒラメは手持ちでヒラメを狙うスタイルです。タックルをできる限り軽量・小型化し、感度を重視するのが特徴で、2メートル程度の竿で調子7:3のものを使用します。また、小型から中型の手巻きリールが一般的です。
- 主に手持ちで行う
- 小型~中型までの手巻きリールが主流
オモリは水深に合わせて40号から80号を使用し、手持ちのライトヒラメでは40号前後、ノーマルヒラメでは80号程度のオモリが用いられます。
しかし、オモリの号数の違いやライト/ノーマルの違いにより、オマツリ(仕掛けの絡み合い)が発生しやすくなるため、どちらか一方の釣り方に統一する場合があります。
そのため、乗船前に船宿や船長に確認を取ることをおすすめします。
ヒラメ釣りに必要な竿
船からのヒラメ釣りで竿を選ぶ際の基準は「ヒラメ専用竿」を選ぶことです。
なぜなら、ヒラメ専用竿はヒラメを釣り上げるために最適な設定や検証が行われているからです。
ヒラメ釣りでは「ヒラメ40」と言われる言葉がありますが、これはアタリが来てから40秒待って合わせを入れる、という意味です。
経験上、40秒は大げさに感じるかもしれませんが、他の釣りと比べて食わせの間をしっかりと取る必要があるのは事実で、ヒラメは違和感を感じるとエサを吐き出してしまうことが多いです。
例えば、アタリが来て生きエサを口に含んでいる状態で、船が波による上下運動をすると仕掛けも上下し、ヒラメに違和感を与えてエサを吐き出してしまうことがあります。
しかし、ヒラメ専用竿であれば船の動きをある程度吸収できるように設計されており、ヒラメに余計な違和感を与えずに済みます。
そのため、船からのヒラメ釣りでは「ヒラメ専用竿」を選ぶようにしましょう。
船ヒラメに必要な竿選びの基準や、おすすめのリールについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
【2024年最新】船からのヒラメ釣りにおすすめの竿16選!専用竿の選び方とは?
ヒラメ釣りに必要なリール
船からヒラメを釣るために必要なリールを選ぶ際には「ベイトリール」を選びます。
なぜなら、船からヒラメを狙う場合バーチカルな釣りになるからです。
船ヒラメでは、魚群探知機の反応を見ながら底質や水深を判断し、仕掛けを真上から投入します。
そのため、キャストする必要はなく巻き上げパワーや感度に優れたベイトリールのほうがバーチカルな釣りにはマッチします。
ベイトリールを選ぶときには小型〜中型のリールがおすすめですが、メーカーによって番手に違いがあるので、選ぶ前にしっかりと理解して選ぶと良いでしょう。
船ヒラメに必要なリール選びの基準や、おすすめのリールについてもっと詳しく知りたい方は下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
【2024年最新】船から狙うヒラメ釣りにおすすめのリール11選!選び方の基本を解説!
初めての船ヒラメにおすすめのタックル2選
ここでは、初めての船ヒラメ釣りにおすすめのタックルを、シマノとダイワからそれぞれ1セットずつご紹介します。
選考基準
- 3万円台でそろえられる
- 初めてでも使いやすいこと
- ライト、ノーマルどちらでも使用可能
シマノ ヒラメ BB M270/MH270
+
+
【シマノ ヒラメ BB M270/MH270】は基本性能の高いヒラメ釣り専用設計のエントリーモデルで、違和感なく喰い込ませる6:4調子と、繊細さとパワーを備えた7:3調子の2モデル。
合わせるリールは、船からの釣りで汎用性の高いスペックを備えたオールラウンドモデルの「バルケッタBB300PG」。
ラインは高感度・高強力・高視認性が魅力でコスパ力の高い8本編みPEラインである【クレハ シーガーPE X8】
竿、リール共に汎用性が高く、初めての船ヒラメにおすすめの組み合わせ。
+
+
状況を選ばず、オールマイティに使えるスタンダードタイプの【ダイワ ヒラメX M-270】
横流し・早潮にも対応可能なやや硬めのタイプのH-270もラインナップされており、フィッシングスタイルに合わせて選べる自由度の高さが、おすすめの理由。
スーパーメタルフレームならではの剛性感がシルキーでパワフルな巻上げを実現している【ダイワ 両軸リール 17 ダイナスター 250】は、地域や釣法を問わず全国各地でオールマイティに活躍できます。
【クレハ シーガーPE X8】は高感度・高強力・高視認性が魅力のコスパに優れた8本編みPEライン。
ダイワ製品で汎用性、コスパに優れた初めての船ヒラメにおすすめのタックルセット。
初心者向け船ヒラメのコツは2つ
ここでは、船ヒラメの簡単な初心者向けのコツを2つご紹介しますので、参考にしてみてください。
常に新鮮な生きエサを使用する!
船ヒラメで使用する生きエサは、アジやイワシなどです。どちらのエサを使用するにしても、「元気のある生きエサ」、つまり新鮮な生きエサを使用することが釣果につながります。
なぜなら、ヒラメの泳がせ釣りは、生きエサが自ら泳ぎ回ることでヒラメにアピールし、捕食行動を引き起こす釣りだからです。
生きエサが勝手に泳ぎ回り、アピールしてくれるため、難しいテクニックは必要なく、誰でも簡単に狙うことができます。しかし裏を返せば、アピール力の弱い生きエサでは釣れないということになります。
そのため、生きエサの状態をしっかりと把握し、常に新鮮で元気のある生きエサを使用することが重要です。
注意点として、生きエサの状態が気になるからといって、何度も仕掛けを回収し目視で確認すると、逆に弱らせる原因になります。そのため、竿先の反応から生きエサの状態を把握できるよう、「ヒラメ専用竿」を使用しましょう。
しっかりと飲み込むまで合わせない!
船ヒラメ釣りのコツの2つ目は、「しっかりと飲み込むまで合わせない」ことで、早合わせは絶対にしてはいけません。
なぜなら、ヒラメの捕食方法は、噛みつきながら飲み込むものだからです。
上記しましたが、ヒラメは「ヒラメ40」という言葉があるほど捕食が下手です。この言葉は、アタリが来てから40秒待って合わせを入れるとよい、という意味を表しています。
捕食が下手ということは、飲み込むまでに時間がかかるということです。そのため、アタリが来た瞬間に反射的に合わせてしまうと針掛かりせず、釣り上げるのが難しくなります。
経験上、アタリが来てから40秒待つ必要はないものの、ほかの釣り種と比べて、ヒラメ釣りでは食わせるまでに時間がかかることは間違いなく、しっかりと食わせの間を持つことで、針掛かりが良くなります。
そのため、船からヒラメを狙う際は、アタリがあっても反射的に合わせず、しっかりと飲み込むまで待ってから合わせを入れるようにしましょう。
ヒラメだけではない泳がせ釣りの魅力
船ヒラメは、船から泳がせ釣りで狙いますが、泳がせ釣りのターゲットとなる魚種はヒラメだけではありません。クエやハタ、カンパチ、ブリ、ヒラマサ、さらにはマグロまで、ほとんどの魚種を狙うことができます。
また、ほかの釣り方では釣ることが難しい大型魚まで釣れるのが、泳がせ釣りの大きな魅力です。
上記画像の魚はオオニベという魚種ですが、これほど大きくなると警戒心も高くなり、釣り上げるのは非常に難しいでしょう。
しかし、普段から捕食しているアジやイワシなどの小魚を生きエサとする泳がせ釣りなら、大型魚の警戒心を薄れさせ、釣り上げることも可能です。
ヒラメ以外の大型魚を狙う場合、必要となるタックルも大きく変わり、別途用意する必要がありますが、泳がせ釣りでほかの魚種を狙いたい方は、ぜひチャレンジしてみてください。
泳がせ釣りに興味があり、さらに詳しく知りたい方は、下記の記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【バケモノ級】船から狙う泳がせ釣りの魅力!必要な仕掛け、ロッドやリールについて解説します!
まとめ
船からヒラメを狙う方法には、「泳がせ釣り」と「落とし込み釣り」がありますが、初めて挑戦する場合は、泳がせ釣りのほうが難易度が低く、釣りやすいでしょう。
ヒラメ釣りの基本をしっかり理解し、専用のタックルを選んで釣り方のコツを実践することで、釣果を伸ばすことができます。
また、泳がせ釣りはヒラメだけでなく、ほかの魚種にも有効な釣り方です。ぜひ、ほかの魚種にもチャレンジしてみてください。
コメント