タチウオジギングは、メタルジグを使ってタチウオを狙う人気のオフショア釣りです。初心者でも挑戦しやすく、数釣りや大型狙いの両方が楽しめるため全国の釣り場で注目されています。
そこで本記事では、タチウオジギングとはどのような釣りか、ベストシーズンや遊漁船の選び方、専用ロッドやベイトリールを含むタックル選び、ジグの誘い方や必須アイテムまで、遊漁船でタチウオジギングを楽しんでいる経験をもとに、釣果を伸ばすためのポイントを詳しく解説します。
また、タチウオジギングに代用できるロッドの基準についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
タチウオジギングとは?

タチウオジギングとは、メタルジグを使ってタチウオを狙うオフショアのルアーフィッシングです。
別名「サーベリング」とも呼ばれ、東京湾や大阪湾など各地の遊漁船で高い人気を誇ります。初心者でも挑戦しやすく、数釣りと大物狙いの両方が楽しめるのが魅力です。
人気の理由は、タチウオが群れで回遊する魚であり、ジグのフォールや巻き上げに積極的にアタックしてくるため、ゲーム性が高く釣果も安定しやすいからです。
さらに、釣ったあとの食味も抜群で、刺身や天ぷら、炙りなど多彩に楽しめる点も人気を後押ししています。
実際に東京湾では夏から秋にかけて浅場で数釣りが可能で、大阪湾では冬の深場で大型タチウオが期待できるなど、地域ごとにシーズンや釣り方の特徴があります。
このように全国各地でスタイルを変えながら楽しめるのがタチウオジギングの大きな魅力であり、手軽さと奥深さを兼ね備えた、初心者から上級者まで楽しめるジギングジャンルとなっています。
タチウオジギングのシーズン・遊漁船選び

タチウオジギングを始めるなら、まず押さえておきたいのが狙い目のシーズンと遊漁船の選び方です。適切な時期と船を選ぶことで、釣果を大きく伸ばすことができるので、最適なシーズンと釣れる遊漁船をしっかりと選びましょう。
狙い目のシーズン
タチウオは年間を通して狙えるターゲットですが、狙い目のシーズンは地域によって異なるため、事前に遊漁船に確認すると確実です。
一般的には春から夏にかけて小型が多く、秋から冬にかけて良型がまとまる傾向があります。特に秋のシーズンは数釣りとサイズ狙いの両方を楽しめるため、タチウオジギングのベストシーズンとされています。
そのため、タチウオジギングにチャレンジするのであれば、遊漁船のタチウオジギング情報をしっかりと収集し、ベストシーズンを逃さないようにしましょう。
遊漁船選びのポイント
タチウオジギングを楽しむうえで重要なのは、信頼できる遊漁船を選ぶことです。
信頼できる遊漁船の目安は、釣果が安定していることです。釣果が良い遊漁船は、タチウオの反応が出やすいポイントを熟知しており、釣り方のアドバイスも充実しています。
釣果情報は、遊漁船の公式ページやSNSで誰でも簡単に確認できます。また、最新の魚探設備(個別確認可能やスマホ連動など)の有無も釣果に影響するため、事前に確認しておくことが重要です。
このように、実績や評判、設備を基準に遊漁船を選ぶことが、タチウオジギング成功の近道となります。事前にしっかり情報を収集しましょう。
タチウオジギング用タックルの選び方
タックル | 選び方・ポイント | 具体例・備考 |
---|---|---|
ロッド | 専用モデルを使用すると操作性・感度が向上 | 100〜200g前後のジグ操作に最適、軽量でティップが柔らかめ |
リール | ベイトリールが基本 | カウンター付き推奨、ハイギアで手返し良好、ドラグ性能が高いと安心 |
ライン | PEライン+リーダー | PE0.8〜1.5号、フロロのリーダー。状況に応じてワイヤーリーダーも |
アシストフック | ジグの前後にセッティング | フックサイズはジグ・魚サイズに合わせる。フロロの4〜6号程度、ワイヤー素材で歯対策 |
ジグ | フォール重視、カラーを使い分け | 100〜200g前後、グロー系やゼブラ系が実績高い。短いジグはアタリを拾いやすい |
ここでは、タチウオジギング用タックルの選び方について解説していきます。
ロッドは専用モデルが使いやすい
タチウオジギングのロッド選びでは、専用モデルを使用することで操作性と感度が大きく向上します。
タチウオはフォール中の微細なアタリや小さな食い上げバイトが多く、一般的なジギングロッドでは見逃しやすい場合もあります。
その点、専用ロッドは柔軟なティップがアタリをはじきにくく、ジグを動かしすぎない適度な誘いが可能で、タチウオの捕食パターンにマッチします。
代用タックルでも対応はできますが、釣果を安定させるなら専用ロッドを選ぶのがおすすめです。
ベイトリールが基本
タチウオジギングのリールはベイトリールが基本で、150~300番程度を基準に選びます。
理由としては、タチウオがフォール中にバイトしてくるケースが多く、ベイトリールであればフォール中のアタリも分かりやすく、フォールスピードを親指一本でコントロールできるといった強みもあります。
もちろん、スピニングリールでも対応は可能ですが、安定した釣果や操作性を考えると、ベイトリールを選ぶのがおすすめです。
ラインシステム
タチウオジギングでは、強度の高いPEラインとショックリーダーの組み合わせが基本です。
PEラインは0.8〜1.5号程度が主流で、感度に優れ、フォール中のアタリも逃しません。ただし、タチウオの鋭い歯で簡単に切られてしまうため、先端にはフロロカーボン4〜6号程度のリーダーを接続します。
ラインブレイク対策としてワイヤーリーダーを使う場合もありますが、食いが落ちることがあるため、状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
太すぎない適切なラインシステムを組むことで、ジグの操作性を損なうことなく、タチウオに誘いをかけられるでしょう。
アシストフック
タチウオジギングでは、アシストフックのセッティングが釣果を大きく左右します。
タチウオはフォール中やジグの頭付近を狙って食いつくことが多いため、フロント側にアシストフックを付けるのが基本です。ショートバイト対策には、ジグのサイズに合わせて前後にフックをセットする「ツイン仕様」も有効。
フックサイズはジグの大きさやターゲットの太さに応じて調整し、掛かりやすさと強度のバランスを取ることが大切です。
タチウオジギングでは電動リールも選択肢に!

タチウオジギングといえば手巻きベイトリールが主流ですが、近年では電動リールを活用する釣り人も増えています。
特に水深80〜100メートル以上の深場や、冬の大阪湾のように200メートル近いポイントを狙う場合、手巻きでは体力的な負担が大きく、効率も落ちがちです。その点、電動リールは楽に巻き上げられるため、手返しが速く数釣りに有利で、長時間の釣行でも疲労を軽減できるのが大きなメリットです。
一方で、電動リールは本体価格が高く、重量もあるため取り回しが重く感じることがあります。また、バッテリーや配線の準備が必要で、機動力の面では手巻きに劣る場面もあります。
このように、体力面や釣行スタイルに応じて「深場狙いは電動」「浅場や小回りは手巻き」と使い分けるのが理想です。状況に合わせて選択することで、より快適にタチウオジギングを楽しむことができるでしょう。
ジグ選びの極意

タチウオジギングで最も重要なタックル要素の一つがジグ選びです。
タチウオは日によって活性や捕食レンジが変わるため、状況に応じたジグを使い分けることが釣果を伸ばす秘訣となります。基本は100〜200g前後のセンターバランスまたはスローフォール系のジグを使用し、水深や潮流に合わせて重さを調整するのがポイントです。
カラーバリエーションも釣果に直結し、定番のパープル・ピンク・ゼブラグローは特に実績が高いカラーです。曇天や朝夕マヅメはグロー系、日中はシルバーやブルーなどナチュラル系が効果的と。
また、ショートタイプのジグはアタリを拾いやすく、ロングタイプはフォールでしっかり見せて食わせやすいのが特徴。複数のジグを用意しておき、その日のパターンを早めに見極めることがジグ選びの極意です。
タチウオジギングの誘い方

タチウオジギングで釣果を伸ばすためには、「ジグの動かし方=誘い方」を理解することが欠かせません。
タチウオはブリやカンパチといった青物のように持久的に泳ぐのは得意ではなく、細長い体で瞬発的に獲物へ飛びかかるため、フォール中にバイトしてくるケースが非常に多い魚です。
そのため、基本となるのは「ワンピッチジャーク」と「フォール」の組み合わせです。ジグをシャクリ上げてからテンションを抜き、ジグをフォールさせることでタチウオの捕食本能を刺激します。
活性が高いときはハイピッチでテンポよく誘い、低活性時はスローに間を作るのが有効です。さらに、ジグのカラーやリズムを変化させることで、食わせのチャンスを広げられます。
タチウオの習性を理解し、誘い方を工夫することで安定した釣果につながりやすくなるため、習性を意識しながら誘いをかけましょう。
タチウオジギングに必須のアイテム

タチウオジギングで安全性と効率を高めるために、タチウオばさみ(フィッシュグリップ)とプライヤーは欠かせないアイテムです。
鋭い歯を持つタチウオを素手で扱うと、けがのリスクが非常に高いため、まずはタチウオばさみで口元からエラ部分を確実にホールドすることが安全確保の基本です。特に暴れるタチウオを直接手で持ってしまうと噛まれる危険性が高くなるため、絶対に避けましょう。
一方、プライヤーはフックを外したり、アシストフックを交換したりするための専用ツールとして役立ちます。まずはタチウオばさみでしっかりと固定してからプライヤーでフックを外すようにし、深く刺さったり絡んだりした場合も無理に手で処理せず、プライヤーで確実に作業することが大切です。
これら二つのツールを揃えておくことで、タチウオジギングを安全かつストレスなく楽しめ、釣行中のトラブル回避にもつながります。必ず優先的に準備しておきましょう。
タチウオジギングに代用できるタックルの基準

タチウオジギングでは専用ロッドが最適ですが、状況によってはライトジギングロッドやタイラバロッドを代用することも可能です。
ライトジギングロッドは150グラム前後の軽量ジグに対応しており、柔軟なティップであればフォール中の微細なアタリを感じやすく、ハイピッチジャークにも十分対応できます。
一方、タイラバロッドはフォール感度に優れ、軽量ジグや中層狙いの釣りには向いていますが、ジャーク主体の高速アクションや長時間の誘いには操作性がやや劣る点に注意が必要です。
両ロッドとも代用は可能ですが、釣果の安定や扱いやすさを考えると、タチウオジギング専用ロッドを用意するのが最も安心です。
状況や手持ちタックルに応じて、適切に使い分けることが重要です。
まとめ
タチウオジギングは、メタルジグを使ってタチウオを狙うオフショアジギングの代表的な釣りです。
青物のように持久的に泳ぐのが苦手なタチウオは、フォール中に瞬発的に食いつくため、ワンピッチジャークとフォールの組み合わせが基本の誘い方となります。
釣果を伸ばすには、専用ロッドやベイトリール、適切なラインシステムを揃え、安全のためタチウオばさみやプライヤーも必須です。
シーズンや遊漁船選び、ジグの動かし方を理解することで、初心者でも効率よく釣果を上げることができるでしょう。
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