2馬力ボートなどの小型船舶に取り付けられることの多いサイドフロートには、種類が多くあり何を基準に選べばいいのか分からないことが多いですよね、
サイドフロートの選び方によっては、走行性能に差が出たりサイドフロートの役割を果たすことができない可能性もあります。
そこでこの記事では、分かりにくいサイドフロートの選び方や基準について解説し、おすすめのサイドフロートを厳選して5つご紹介してきたいと思います。
また、自作のサイドフロートの実用性についても解説していきますので、参考にしてみてください。
サイドフロートの役割と重要性

ここでは、サイドフロートの役割と重要性について解説していきます。
サイドフロートの役割
サイドフロートは、ボートの側面に装着される浮力体で、PVC製やポリエチレン製など素材にはいくつかの種類があります。サイドフロートが果たす重要な役割として、
- 転覆防止: 重心の変化や波の影響でボートが大きく傾いた際の転覆リスクの低減
- 安定性向上: 空気室が船体の外周にあり、安定性が向上
- 救助: 万が一ボートから転落した際の救助浮き輪
の三つが挙げられます。
特にミニボートや小型船では、転覆のリスクが高いため、サイドフロートは必須の安全装備と言えます。
サイドフロートの重要性
一般的なゴムボートなどでは浮力室がボートの外周にあり、荷重がどちらかに偏ったとしてもすぐに転覆とはなりませんが、FRPボートでは転覆の可能性が高くなります。
FRPボートの浮力室は船体中央にあることが多く、片側に荷重がかかると簡単に転覆してしまい、非常に危険です。
また、落水してしまった場合にサイドフロートがないと、ボート側面からの引き上げようとしても船体がかたむき、引き上げることができません。
そのため、2馬力ボートなどの安定性に欠ける小型船舶では、サイドフロートが転覆や落水を防ぐための重要なアイテムであり、必須ともいえる艤装アイテムだと言えるでしょう。
サイドフロートの選び方

サイドフロートの選び方として2つの基準があります。
- 素材で選ぶ
- 長さで選ぶ
サイドフロートの素材には「PVC製・ポリエチレン製」がありそれぞれにメリットや特徴があります。
PVC製のメリットとデメリット
PVC製サイドフロートのメリット
- 軽い
- 持ち運びが楽
- 設置の手間が少ない
- 走行時の抵抗が少ない
PVC製(ゴム)サイドフロートは軽く、持ち運びも苦になりません。
設置に関しては、数か所穴をあける必要がありますが、後はベルトで固定するものが多く、設置の手間は少なくて済みます。
また、先端がとがった形状は水の抵抗を受けにくく、走行時に邪魔になりにくいメリットがあります。
PVC製サイドフロートのデメリット
- 破ける
- 導入コストが高い
PVCとはゴムボートなどに使用されている素材で破ける可能性があり、製品の値段が高額で導入コストがかかるのがデメリットです。
ポリエチレン製のメリットとデメリット
- 破けない
- 浮力が高い
- 安定している
ポリエチレン製のサイドフロートのメリットは破けないことで、水上で使用するうえで重要なポイントになります。
また浮力も高く、硬い素材でできているので安定した浮力を得ることができます。
ポリエチレン製サイドフロートのデメリット
- 重い
- 取り付けが難しい
ポリエチレン製サイドフロートのデメリットは重いことで、持ち運びや走行時の負担が増えてしまいます。
また、取り付けにはコストと手間がかかりDIYが得意な方でないと苦労することもあります。
サイドフロートの長さは船体の半分〜3分の2程度
2馬力ボート向けのサイドフロートを選ぶときの基準として、取り付けるボート全長の半分以上の長さかつ、ボート全長の3分の2以下のサイドフロートを選びます。
理由は、短すぎるサイドフロートではボート後部でしか浮力を得ることができず、長すぎるサイドフロートでは航行時に波と接触し、走行性能が落ちてしまうからです。
免許不要で操船できる2馬力ボートの最大サイズは3.33mとなっていますので、2m程度のサイドフロートが選ぶ際の一つの基準になります。
おすすめサイドフロート5選

ここでは、おすすめのサイドフロートを厳選して5つご紹介していきますので、ご自身のボートに合ったサイドフロートを選んでください。
ホープボート サイドフロート2000(2気室)
いざという時には、レスキューチューブとしても活躍できるホープボートが作るサイドフロート。
開発にかけた時間は50年で、サイドフロートの生みの親として実用新案も取得しました。
全国の救助用ボートにも使用され、信頼性も高く、2気室構造により仮に破けたとしても、すべての空気が一度に抜けることはありません。
サイドフロート 2000 300φボート用 左右セット
全長2000mm、直径300φの大径タイプのサイドフロート。
ボートなどに金具を直接取り付け、ベルトで船とフロートを固定するだけの簡単設置で、取り外しも簡単。
また、金具とベルトという2つの固定方式のおかげで、様々な形状の船体に取り付けることができるのもおすすめの理由。
デメリットはゴム製品のため破ける可能性があること。
サイドフロート 1600 250φ ボート用 左右セット
全長1600mm、直径250φのサイドフロート。
船体が少し短めのボートにおすすめで、多くのボートで使用可能なのがおすすめの理由。
デメリットはゴム製品のため破ける可能性があること。
樹脂製サイドフロート 1750 ボート用 左右セット
ベルトによる固定方式とパイプによる固定方式、どちらでも取付する事ができる万能型のサイドフロート。
フロートなのにハッチを装備、このまま小物入れとして使用できるのもおすすめの理由。
デメリットは、パイプ固定式で取り付けるのであればDIY技術が必要なこと。
AFボート サイドフロート 65cmモデル
空気漏れの際に予備浮力として使用できるインフレータブルボート向けサイドフロート。
AFボート用だが、インフレータブルボート各種に取付可能な万能型。
左右合わせた浮力は60㎏と、予備浮力としてだけではなくサイドフロートの役割も十分果たせるのがおすすめの理由。
デメリットはFRPボートには使用できないこと。
自作サイドフロートの実用性は?

サイドフロートは自作することもできますが、実用性の面から見るとおすすめできません。
最近では、自作のサイドフロートを装着した艇の事故が発生しています。
自作のサイドフロートを使用する際は船体バランス等への影響を十分注意するとともに、不安を感じた場合は販売店に相談するようにしましょう。
使用に規定があるわけではありませんが、自作のサイドフロートに海上保安庁が注意喚起を促しています。
サイドフロートの役割は
- 転覆防止
- 安定性向上
- 救助浮き輪
であり、これらの役割を確実に果たすものがサイドフロートとなります。
自作するユーザーの目的は、サイドフロートの予備浮力といった役割に注目するのではなく、コスト削減が第一目標となっています。
実際にサイドフロートを自作した場合のコストは1万円台と、大幅なコストカットが期待できるのも事実ですが、自作するサイドフロートが機能せず転覆するようなことがあれば、タックル一式はもちろん魚群探知機やクーラーボックスなどすべての装備を失い、ユーザーの命にもかかわります。
サイドフロートは「保険」のようなものです。
万が一にそなえるのであれば自作するのではなく、バランスや浮力がしっかりと設計、検証されたものを選ぶことが重要です。
まとめ
サイドフロートは、ボートの側面に装着される浮力体で、転覆防止、安定性向上、救助浮き輪といった重要な役割を果たします。
また、素材や長さの選び方も重要で、自身のボートに合ったサイドフロート選びが重要なポイントになります。
自作のサイドフロートはコスト削減が魅力ですが、役割を十分に果たせず事故リスクが高まります。
万が一に備えるなら、設計と検証が行われた製品を選ぶことが大切です。
コメント